2017 Fiscal Year Research-status Report
Application of human iPS cell-derived intestinal epithelial cells as a novel prediction system for drug disposition and drug interaction
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17K08421
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
岩尾 岳洋 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 准教授 (50581740)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒトiPS細胞 / 小腸 / 薬物動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ヒトiPS細胞から小腸上皮細胞への分化の促進、または、薬物動態学的機能の獲得に有用な分化誘導方法の探索を行った。小腸上皮細胞への分化は、これまでにわれわれが確立した方法に基づいて行い、その分化誘導過程で上記の検討を行った。その結果、これまでにわれわれが確立した方法よりも、さらに小腸上皮細胞への分化を促進することを示唆する結果を得ることができた。そこで、ここで得られた結果をもとに分化誘導条件の最適化を行った。小腸上皮細胞への分化の程度は、分化誘導終了後に腸管マーカーや薬物動態関連遺伝子の発現レベルをリアルタイムPCR法により解析を行うことで評価したところ、これらの遺伝子発現レベルの上昇が認められた。また、小腸において主要な薬物代謝酵素であるCYP3A4の活性の上昇も認められた。以上のことから、この分化誘導法はヒトiPS細胞から小腸上皮細胞への分化をより促進することが示唆された。本年度得られた知見は、小腸上皮細胞への分化誘導法の最適化および効率化を進めていくうえで、有用な情報であるものと考えられる。今後は、遺伝子発現レベルだけでなく、薬物代謝酵素や薬物トランスポーターの活性などさまざまな薬物動態学的機能の定量的な解析を進めていくことを考えている。そうすることで、ヒトiPS細胞由来小腸上皮細胞の機能的な特徴がより詳細に明らかとなり、薬物動態試験におけるこの細胞の有用性の評価も可能になるものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ヒトiPS細胞から小腸上皮細胞への分化に有用な分化条件を見出すことができた。今後、条件の最適化やより詳細な薬物動態学的機能の解析が必要であると考えられるものの、おおむね順調に進展しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、分化条件の検討や薬物動態学的機能の定量的な解析を引き続き進めていく。また、消化管吸収率の予測に関しても、可能な範囲で検討を行う。
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Research Products
(10 results)