2017 Fiscal Year Research-status Report
The construction of a blood-brain barrier model using novel human iPS cell-derived endothelial progenitor cells
Project/Area Number |
17K08422
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
坡下 真大 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (20613384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 民秀 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (40209581)
降幡 知巳 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80401008)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | iPS細胞由来血管内皮前駆細胞 / 脳毛細血管内皮細胞 / タイトジャンクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はiPS細胞由来血管内皮前駆細胞(EPC)の大量培養に適した培地の選定を行う予定であったが、EPCの純度が不足していたことから、簡便にiPS細胞由来EPCを作製する方法を確立した。既存の方法ではCD34マーカーを用いて純化する方法が行われていたが、我々はこれまでとは異なる方法でCD34マーカーが98%以上になる方法を開発した。さらに、iPS細胞由来EPCを長期間培養すると細胞が老化し分化が進まなくなるが、低分子化合物を用いて培養することで30日以上未分化能力を維持することに成功した。現在、この純化方法ならびに維持培養方法を用いてバイオリアクターにて大量培養する方法を検討中である。 BBBモデルの構築に向けて培地の選定に関して行ったところ、脳毛細血管内皮細胞(BMEC)のタイトジャンクション機能を高めるには特殊な血清を用いることが重要であることが判明した。さらに我々はこのタイトジャンクション機能を増加させる低分子化合物も発見した。このタイトジャンクション機能を増加させる低分子化合物は、BBBモデル構築にとって非常に重要な因子であり、その因子を発見した意義は非常に大きいといえる。 iPS細胞由来EPCからBMECへ分化させる方法に関しては未だ確立できていない。生体内における血管内と脳組織内には浸透圧差が認められている。来年度はBasalとapical間の浸透圧比を変更し、不死化ペリサイトならびにアストロサイトを用いて、さらに培地や因子の選定を行いBMECへの分化を確立させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題開始当初は、iPS細胞由来血管内皮前駆細胞(EPC)の純化が上手くいかなかったが、これまでとは異なる方法でCD34マーカーが98%以上の純化に成功し、iPS細胞由来EPCの作製の簡便化に成功した。また、iPS細胞から脳毛細血管内皮細胞へ分化した際、タイトジャンクション機能を向上させる低分子化合物を見出したことは、非常に大きな成果であった。しかし、大量培養に適した培地の選定を行うことができていないこと、iPS細胞由来EPCから脳毛細血管内皮細胞へ分化を確立できていないことから「概ね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度では、トランスポーター機能の解析、薬物透過試験、電子顕微鏡による形態学的解析を行う予定であるが、今年度の進捗状況から早期にiPS細胞由来EPCから脳毛細血管内皮細胞への分化を確立することを優先する。また、同時並行で上記解析条件を確立し、EPC由来脳毛細血管内皮細胞の分化誘導を確立した段階で機能解析をする予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度3月末の出張費用として3万円程度の予定で合ったが、実際には2万円程度であったため1万円程度助成金が生じてしまった。次年度でiPS細胞からの分化培地が早急に必要なため、そちらに利用する予定である。
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Research Products
(3 results)