2018 Fiscal Year Research-status Report
Approach to developing of new pancreatic cancer therapeutic method focused on fatty acid metabolism
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17K08429
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
西 弘二 崇城大学, 薬学部, 准教授 (00398249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 由未子 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (00521882)
弓田 長彦 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (40191481)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 膵がん / 脂肪酸合成 / 栄養飢餓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、膵がんの新規治療法開発を目的として、膵がん細胞内の脂質代謝に着目し各種検討を行った。これまで、各種脂質代謝阻害剤を用いた検討から、脂肪酸合成阻害が膵がん細胞の増殖を最も顕著に抑制したことから、2018年度はそのメカニズムについての検討を中心に行った。 膵がん細胞株として、AsPC1、BxPC3およびPANC1を、阻害剤として脂肪酸合成酵素の1つであるアセチルCoAカルボキシラーぜ阻害剤のTOFAを用いて細胞増殖抑制およびアポトーシス誘導効果を評価した。その結果TOFAは、添加後12時間までに、AsPC1およびBxPC3に対して、有意に細胞増殖を抑制し、アポトーシスを誘導したものの、PANC1についてはそのような効果は観察されなかった。そこで、PANC1について72時間まで阻害剤曝露を延長したところ初めて細胞死が観察された。これらの結果からPANC1は、脂肪酸枯渇の影響を受けにくい細胞株であることが明らかとなった。事実、膵がんは他の癌種と比べても栄養飢餓に耐性を有しており、この現象が膵がんをさらに悪性化させていることが報告されている。そこで、PANC1の飢餓耐性のメカニズムを明らかにするために、様々な培地条件を用いて各種検討を行った。その結果、興味深いことにPANC1はグルタミンのみが欠如した状態で著しく細胞増殖が抑制された。一方、飢餓培地であるEBSSやPBSを用いた検討では、24時間~48時間まで生存が観察された。これらの結果は、PANC1は完全栄養飢餓では細胞内の代謝を変化させて飢餓環境に適応させ、生存しようとするものの、グルタミンのみが欠如した状態ではそのような飢餓環境へ適応することが出来ず、増殖が抑制されたものと推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験当初は、脂肪酸合成阻害が膵がん細胞に対して顕著な効果を示したため、これらのメカニズム解明について順調に研究を進めていた。しかし、2018年度は膵がん細胞株の一部にこれら阻害に対して耐性を持つものが見つかったため、この耐性メカニズム解明に関する研究を行ったため、本来の計画よりやや遅れがでたものの、全体として概ね順調に進展しているものを考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、膵がんの脂肪酸を含めた栄養飢餓耐性メカニズムの解明を行っている。その中で、PANC1という栄養飢餓耐性細胞株が、グルタミン欠如の状況で細胞死を起こすこと、さらにグルタミンが欠如すると、脂肪酸への依存が大きくなり、脂肪酸合成阻害の効果が上昇することを見出している。そこで、今後は栄養飢餓耐性を示す細胞株の耐性メカニズムを明らかにしつつ、グルタミンの欠如が脂肪酸合成酵素阻害の効果を上げる詳細なメカニズムの解明も同時に進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画にもとずいておおよそ順調に進んでおり、2018年度はその結果を論文発表することが出来たが、その費用が当初の予定していたものより安くなったために次年度使用額(23,568円)が発生した。2019年度は、当初予定していた額より、やや増額されるが(400,000円から423,567円)、研究計画について大きな変更はない。
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Research Products
(2 results)