2019 Fiscal Year Annual Research Report
Psychological Changes in Diabetic Patients with Pharmacist Intervention
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17K08439
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
荒井 國三 金沢大学, 薬学系, 教授 (50126562)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病イメージ / 服薬アドヒアランス / セルフケア / 患者心理 / 薬剤師介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者医療の特徴の一つは生理学的および社会的(その人のライフサイクル)において多様性(個別性)が青年や壮年者に比べ高いことである。日本では「糖尿病が強く疑われる者」は約1,000万人と推計され、そのうち半数以上が65歳以上の高齢者である。糖尿病の高齢患者において糖尿病治療の目的とライフサイクルー老年期における生き方の関係を考えることは重要で、その際に患者の心理面にフォーカスを当てる必要がある。本研究において2型糖尿病患者の服薬について,今まであまり考慮されてこなかった糖尿病イメージが服薬アドヒアランスにどの様に影響するかを検証した。 2型糖尿病患者における服薬アドヒアランスはBMI、糖尿病知識、近親者の糖尿病歴及び糖尿病イメージの第2因子「きちんと生活するイメージ」により予測されることを見出した。「きちんと生活するイメージ」を有する患者は良好な服薬アドヒアランスを有する。2型糖尿病を対象としたリスクコミュニケーションを行う上で、患者の心理、本研究で明らかになった糖尿病イメージの第2因子「きちんと生活するイメージ」に合わせて調整することが有益であると考えられた。 さらに、糖尿病イメージと服薬アドヒアランスの関係について1年間患者を追跡する前向き研究を実施した。服薬アドヒアランスの改善は第2因子「きちんと生活するイメージ」と第7因子「末恐ろしいイメージ」で有意に連関し、第6因子「不摂生のイメージ」スコアは服薬アドヒアランスのサブスケールと有意に連関した。これらのアドヒアランスに関連する疾患に対する患者の認識は全てセルフケア能力に関連する因子であった。従って薬剤師が糖尿病患者の治療に関与する場合、知識を提供するだけでなく患者のセルフケア能力を高める介入を実施することが服薬アドヒアランスの向上に役に立つこと示唆された。
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