2017 Fiscal Year Research-status Report
神経接着分子Caspr4を介した神経精神疾患における新規治療戦略
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17K08451
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武田 泰生 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 教授 (60245462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 龍二 宮崎大学, 医学部, 教授 (50398278)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 神経分化 / 幹細胞維持 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス胚性腫瘍(EC)細胞である P19細胞は,レチノイン酸(RA)により分化誘導し,神経細胞およびアストロサイトに分化することが知られている。Caspr4は、P19細胞をRA分化誘導時に、神経分化を調節していることが定量的RT-PCRならびにウェスタンブロット解析により示唆された。そこで、P19細胞にCaspr4-pCDNA4を一過性に導入(Caspr4強制発現系)し,RA存在下において、Caspr4導入細胞およびコントロールベクター導入細胞をsphere様の細胞塊を形成させる過程において、Caspr4がRA誘導による分化過程において変動する遺伝子群にどのような影響を及ぼすかをマイクロアレイ解析により探索した。データベースDAVIDにより幹細胞の増殖に関わるpathwayに関与する遺伝子変動をみたところ、RA処理した細胞株は、NanogやOct4などの幹細胞維持に関与する遺伝子群の低下が見られた。このことから、実験系はうまくいっており、Caspr4強制発現細胞とコントロール細胞の遺伝子変動比較を詳細に解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
P19細胞をRAで分化誘導し、Caspr4遺伝子を発現させることによる変動遺伝子候補を検索することができたためおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の計画に基づき、Caspr4強制発現により得られた変動遺伝子について、RT-PCRやウェスタンンブロットを用いて変化量を定量し、野生型と比較したときの発現量増加または発現量減少に至った候補遺伝子の絞り込みを行う。Caspr4との結合する分子やCaspr4の下流シグナル伝達分子についてを明らかにすることは、新規医薬品の開発において有用な知見となるため、本研究の2年目は、神経分化に関わるCaspr4応答遺伝子として同定されたGene Xの発現調節に関わるCaspr4シグナルを詳細に解析する。
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