2017 Fiscal Year Research-status Report
Spray-drying technique to allow one-step preparation of functional DDS powder for inhalation
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17K08456
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
尾関 哲也 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 教授 (60277259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 辰秋 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 講師 (10609887)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 吸入剤 / スプレードライ / 製剤技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
私は、スプレードライ技術を利用した機能性吸入剤に関する基礎研究を行った。これまでに吸入剤の進歩に大きな影響を与えた様々な機能性粒子が報告されてきたが、実用化には至っていない。ラボスケールで微量調製した特殊な機能性粒子の多くは、生産スケール用の装置がないためであり、スケールアップが実用化の障壁だとされている。私は、これまでの経験を活かし、スケールアップ可能な2液混合型スプレーノズルを用いたスプレードライ技術を用いて機能性粒子を調製することにより、このスプレー技術が有用であることを本研究計画を通じて示していく。
初年度は、ナノマトリクス構造を有する吸入特性を高めた高純度薬物粒子の開発に焦点を当て、その作成について検討を行った。方法としては、2液混合型スプレーノズルを用いて、水溶性薬物のナノ粒子を有機溶媒内で析出後、瞬時にスプレードライし、ナノ粒子どうしが凝集した空隙率の高いナノマトリクス構造の粒子を調製することを試みた。この方法の利点の一つとして、単一成分で無駄のない高純度の薬物粒子が得られることが挙げられる。今回は、難水溶性化合物であるクルクミンを用いて粒子の調製を行った。クルクミンは、健康成分ウコンの抽出物の一つであり、抗酸化作用、抗炎症作用、抗がん作用といった多くの薬理効果をもつ有用な化合物である。検討の結果、ナノ粒子が凝集したマイクロサイズの粒子の調製を調製することができた。スプレードライの条件(噴霧温度、送液するときの薬物濃度、送液速度、対する水の送液速度など)に粒子形成が大きく影響を受けるため、今後も実験条件の調製は必要であるが、前向きな結果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の実験項目が「ナノマトリクス構造を有する吸入特性を高めた高純度薬物粒子の開発」であり、2液混合型スプレードライヤーを用いることにより、ある程度の粒子が得られたからである。また今後の検討は必要であるが、次年度の計画とは連続的ではないため、研究計画の遂行において大きな支障はないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、ナノマトリクス粒子の調製を行っていく。また、次年度に設定した実験計画を引き続き行っていく。例えば、PEG修飾された薬物徐放性ナノ粒子からなる吸入用ナノコンポジット粒子の調製や、肺胞マクロファージを標的とした自己組織化プロリポソーム粒子の調製、その他、時間の余裕があれば、それらをさらに改良・応用した吸入剤に適した機能性粒子の調製について検討を行っていく。
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