2017 Fiscal Year Research-status Report
精神疾患患者における脳内活性アミノ酸類の血中濃度測定
Project/Area Number |
17K08462
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
関根 正恵 北里大学, 薬学部, 助教 (60226652)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | D-アミノ酸 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、これまでに構築しているD,L-アミノ酸測定法を改良し、新規D,L-アミノ酸定量法の確立を行った。 1.試料中D,L-アミノ酸を定量する新規カラムスイッチングHPLCシステムの確立: 今回確立を行う測定法は、試料中アミノ酸を4-fluoro-7-nitro-2,1,3-benzoxadiazole(NBD-F)を用いて蛍光誘導体化し、高速液体クロマトグラフィー ( HPLC ) により分離定量する方法である。NBD-Fは、アミノ酸の蛍光誘導体化試薬としてよく利用されており、既存のアミノ酸発蛍光試薬が持ち合わせているいくつかの難点を克服した試薬である。また、これまでに構築してきたHPLCシステムは、逆相(C8またはODS)カラムとPirkle型キラルカラムを連結したカラムスイッチングHPLCシステムであり、試料の損失が少なく高感度な定量が可能であるため、試料中微量に存在しているD-アミノ酸を検出するには有効な方法である。本研究では、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸(グリシン以外)をD型とL型に分離し定量を行う。そこで、これまで開発してきたD,L-アミノ酸測定法を改良し、新規定量法の確立を行った。分析に使用するカラム、カラムオーブンの温度、移動相条件の組成、流速などを検討し、各アミノ酸のピークと夾雑ピークが逆相カラムおよびキラルカラムにおいて重ならないよう分離能が向上したHPLC条件を決定した。HPLCにおける分離能が向上すれば、D,L-アミノ酸定量における誤差が少なくなり、精度を高めることができる。 2.新たに確立したD,L-アミノ酸HPLC定量法におけるバリデーションの実施: 新規HPLC分析法において、真度、精度、特異性、検出限界、定量限界、直線性および範囲といった分析能パラメーターについて検討し、確立した分析法の妥当性について評価を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載したとおり、本研究では、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸(グリシン以外)をD型とL型に分離し定量を行う。 そこで本年度は、これまで開発してきたD,L-アミノ酸測定法を改良し、未だ定量法が確立していないアミノ酸について新規定量法の確立を行い、バリデーションの実施を行った。 現在、いくつかのアミノ酸分析法についてバリデーションの実施を行っているが、ほとんどのアミノ酸については、カラムスイッチングHPLCシステムを用いた定量法の確立が完了している。 以上の内容から、本年度における研究の進展はおおむね順調であると考えられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の主な推進方策としては、現在分析法のバリデーションを実施している定量法について早めに完了させる。 その後、確立した分析法を用いて、健常者および統合失調症患者血漿中におけるD,L-アミノ酸の定量を行っていく。
|
Research Products
(2 results)