2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of transcription factor Pax6 function in the dynamics of cerebrospinal fluid
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17K08486
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲田 仁 東北大学, 医学系研究科, 講師 (60419893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大隅 典子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00220343)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Pax6 / Sox2 / 交連下器官 / 神経幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Pax6は脳の初期発生に重要な役割を果たしている転写因子である。胎生期の脳の発生において、Pax6は交連下器官(Subcommissural organ, SCO)の形成に必要であることが報告されているが、生後脳の交連下器官における機能は明らかにされていない。本研究では、若齢~成体マウスにおけるPax6の交連下器官での発現を解析するとともに、SCOを構成する細胞がどのような性質を持つか免疫染色法により解析した。 Pax6が発現している交連下器官領域について、生後84日目のマウス脳を用い、各種細胞の分子マーカー(ニューロン:NeuN、アストロサイト:GFAP、オリゴデンドロサイト:Olig2、ミクログリア:Iba1、幹細胞:Sox2・Vimentine・PCNA・Ki67、オリゴデンドロサイト前駆細胞:PDGFRα)に対する蛍光免疫染色を行った結果、交連下器官におけるSox2・Vimentine・PCNAの強い発現が観察された。また、GFAPの発現が観察されたが、NeuN、およびOlig2の発現は観察されず、わずかなIba1の発現が観察された。 PDGFRα陽性の細胞は交連下器官の縁に存在していた。BrdUの取り込みやKi67マーカーの発現はほとんど観察されず、分裂細胞は存在するとしてもごく僅かであることが明らかになった。 以上の結果より、交連下器官においてPax6の強い発現が生後も維持されており、神経幹細胞のマーカーも発現していることから、交連下器官は神経幹細胞様もしくは神経上皮細胞様の特徴を持つことが明らかになった。しかし、分裂細胞はほとんど確認されなかったことから、休眠状態の神経産生領域である可能性が示唆された。 また、脳室特異的なPax6欠損を誘導するため、AAV-Creウイルスを作成するためのAAV-CreのプラスミドDNAを入手した。Creの活性とPax6の欠損を同時にモニターするための、Pax6-flox;R26R-EYFPレポーターマウスを作成した。
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Research Products
(10 results)