2017 Fiscal Year Research-status Report
精巣上体・前立腺の上皮細胞間クロストークの解明と雄性不妊マウスの解析
Project/Area Number |
17K08493
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉永 一也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (50136719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 直樹 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (90304998)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / 発生・分化 / 男性生殖器 |
Outline of Annual Research Achievements |
男性不妊や前立腺がんの患者数は年々増加しており、その発症機序の解明が急務となっている。しかし、その基盤となる精巣上体や前立腺を構成する上皮細胞の発生・分化や細胞間調節(クロストーク)の仕組みは分かっていない。そこで本研究では、男性生殖器官で発現する細胞表面受容体や細胞間シグナル分子の分布・局在について主に免疫組織学的解析を行う。ならびに遺伝子改変・雄性不妊マウスを用いて、上皮細胞の分化動態や生理機能などの未解決の基礎的な問題を細胞・組織~個体レベルで解決することを目的とする。 平成29年度は、G-タンパク共役型ホルモン受容体LGR4遺伝子の男性生殖器官における発現解析と機能解析を行う目的で、Hoshii et al.(2007)が遺伝子トラップ法を用いて作製したLGR4の発現が著しく低下したマウスの凍結胚を融解後、レシピエントマウスの卵管内に移植して個体復元を行った。作出された変異雄マウスを解析し、以下の結果を得た。 1)LGR4遺伝子の発現は、ヘテロ接合体(LGR4+/Gt)の3週齢雄マウスにおけるβ-geo発現組織をX-gal染色により検出した。その結果、陽性反応は精巣、精巣上体、前立腺などに認めた。今後は、各器官の分化段階における組織レベルでの遺伝子発現解析と特異抗体を用いたタンパク発現解析を行う予定である。 2)ホモ接合体(LGR4Gt/Gt)の成熟マウスでは、精細管や精巣上体管の低形成及び管腔の拡張等を認めた。今後さらに詳細な表現型解析を行い、LGR4変異マウスの形態学的異常を明らかにしていく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者である大学院生1名が中途退学したため。
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Strategy for Future Research Activity |
目標達成に向けて、当初の計画を遂行する。
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Causes of Carryover |
理由:旅費その他を他財源で補填したため。 使用計画:繰越金は翌年度分と合わせて効率的に使用する。
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Research Products
(1 results)