2018 Fiscal Year Research-status Report
The organization of the olfactory bulb revisited
Project/Area Number |
17K08519
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小坂 克子 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 教授 (60202058)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小坂 俊夫 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 特任教授 (00126054)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 嗅球 / ドーパミン(DA)‐GABAニューロン / 鼻孔閉鎖 / 傍糸球体細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
嗅覚一次中枢主嗅球局所回路ニューロンで近年特に注目されているドーパミン(DA)‐GABAニューロンの解析を前年度に引き続き進めた。DA-GABAニューロンの形態的特徴を、次の3つの方法で解析した。第1は鼻孔閉鎖による機能的入力除去後の免疫組織化学。残存した少数のチロシン水酸化酵素(TH)免疫陽性のDA-GABAニューロンの解析。第2はTH-GFPマウスの固定嗅球スライスでの蛍光色素細胞内注入によるニューロン標識。第3は脳固定装置を用いたビオチン化デキストランの電気泳動的注入による嗅球糸球体近傍ニューロン標識。これらの方法で得られた所見を総合することで、嗅球DA-GABAニューロン群の形態学的多様性が明確になり、少なくとも3つのタイプが認識できた。第1は大型で樹状突起を1~数個の糸球体内にタフト様に分岐し、軸索を側方に伸ばし、更に糸球体内へと伸ばしている、以前の逆行性トレーサー実験で抑制性糸球体近傍連合ニューロンと名付けたニューロンに対応する。特に、アンキリンGを軸索初節部のマーカーとして軸索を同定し、連続切片で軸索及び樹状突起を追跡する方法で、このニューロン群の形態が明らかにできた。このニューロン群では2、3本の軸索を有するものもかなり高い頻度で見られたことも特徴的である。第2は小型の傍糸球体細胞である。重要なことは軸索を有する細胞と無軸索の傍糸球体細胞、両者の存在が確認できた。但し、形態的には軸索と考えられてもアンキリンG陽性の軸索初節部を有する軸索は極めてまれであった。第3は側方に長い樹状突起を伸ばし、複数の糸球体を貫いている、以前我々がtransglomerular cellsと名付けたニューロンである。しかし、この3タイプに当てはまらないニューロンも多く、どれかのサブタイプと考えてよいのか別のニューロンタイプとすべきか検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DA-GABAニューロンの形態解析が、異なる4つの方法で順調に進み、それぞれが相補的で想像以上の多様なニューロン群の存在が明らかになりつつある。
|
Strategy for Future Research Activity |
DA-GABAニューロンについては現在の方法で所見が得られつつあるが、それぞれの方法で得られた所見を比較検討すると、定性的には一致するが、細胞の大きさ等、定量的な面でやや不一致がみられる。これまでの検討ではそれぞれの方法で用いる標本で収縮率等が異なっているように考えられるので、適正な補正の可能性を検討したい。
|
Causes of Carryover |
今年度は地元開催の学会に参加が多く、旅費の使用が抑えられたことと、適当な人材が不足しており、人件費、謝金を使用しなかった。 今年度は旅費、人件費を使用予定である。
|
Research Products
(4 results)