2017 Fiscal Year Research-status Report
CALHMチャネル極性ソーティングの分子基盤の解明
Project/Area Number |
17K08543
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
加塩 麻紀子 愛知医科大学, 医学部, 講師 (20631394)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 味細胞 / ATP / イオンチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
CALHM1/3ヘテロメリックチャネルは、甘味、旨味、苦味を受容するⅡ型味細胞に発現し、味細胞の脱分極により活性化し、味神経へのプリン作動性神経伝達を担うATP透過性イオンチャネルである。高い極性を有する味細胞は、細胞膜がタイトジャンクションを介して頂端膜と基底膜に分かれ、それぞれに異なる機能分子がソートされる。神経伝達への役割を果たすために、CALHM1/3チャネルは味神経終末の近傍に位置する必要があると考えられるが、このような味細胞においてCALHM1/3チャネルがいずれの膜領域にソートされるか、また選択的ソーティングの分子メカニズムは不明であった。 CALHM1抗体を用いた味細胞の免疫組織学的解析の結果、CALHM1が味細胞の基底膜においてスポット状に存在していることが確認できた。したがって、味細胞においてCALHM1/3が基底膜に選択的にソートされるメカニズムが存在することが示唆された。 さらに、味細胞と同様に極性を有する上皮細胞モデル(MDCKII細胞)において、CALHM1/3チャネルが基底膜に選択的に輸送されることを明きらかとした。また、CALHM1およびCALHM3の細胞内領域に極性輸送を規定するシグナル配列が存在することが明らかとなった。 本年度は特に、CALHMチャネルの細胞内領域に存在する基底膜輸送シグナルの探索を目的として、基底膜輸送カノニカルモチーフに変異を導入したCALHM1/3チャネルの局在を生化学的手法により検討することで、少なくとも2箇所のカノニカルモチーフが内在性シグナルとして働くことを明らかにした。 現在、得られた成果を論文発表するべく投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた通りの成果が得られた。 現在は、得られた成果を論文発表すべく準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
基底膜輸送の分子メカニズム解析の結果をまとめて論文発表予定。
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Research Products
(6 results)