2019 Fiscal Year Annual Research Report
Three-dimensional analysis of morphogenetic factors forming cartilage primordia
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17K08548
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
依田 昌樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (30464994)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 骨形成 / 軟骨形成 / 組織透明化 / 3次元解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の結果から、中耳から内耳の軟骨形成がE12.5において一部生じていることが確認された。2019年度はまずE12.5個体の組織学的解析を行った。頭頂部からの横断面の凍結切片を作製し免疫染色を行ったところ、軟骨分化に必須の転写因子であるSox9陽性細胞群が四肢を含めた組織で観察され、中耳から内耳部分にも確認された。次に、PDGFRαレポーターマウスを使用し組織学的な検討を行った。昨年までの結果から、石灰化していない軟骨と周囲に存在する細胞群は連続的な組織のつながりはなく、軟骨膜と周囲細胞群を覆っている膜で区分されていることが示された。これらの膜はPDGFRαおよびSca-1陽性細胞群によって構成されていたことから、このレポーターマウスを使用し軟骨原基と周囲細胞群の境界を探索した。軟骨原基の周囲にPDGFRα陽性細胞群が存在いているという予想とは反して、神経管以外の組織全般に陽性細胞が確認された。しかし、管状組織の膜部分にはPDGFRαおよびSca-1強陽性の細胞が存在していた。このことから、軟骨原基はこの段階では独立した膜組織は構成していないことが示唆された。 さらに、3次元的解析を進めるにあたり透明化手法の検討を行った。昨年度用いたScale/S法以外にCUBIC法を用いてE12.5個体の透明化を行った。軟骨特異的レポーターマウスを材料に検討した結果、蛍光蛋白質検出に関してはどちらも透明化効率に大きな差はなかったが、免疫染色に関してはScale/Sの方が効率は良かった。しかし、組織内部への抗体に浸透効率に問題が残る形となり今後の研究課題として残った。 また、軟骨原基の周囲細胞の遺伝子解析は周囲細胞群の単離が困難であり期待できる結果が得られなかった。今後はレーザーマイクロダイセクション法などを用いて周囲細胞群を組織学的に分離し遺伝子解析を行う必要があると考えられた。
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Research Products
(3 results)