2017 Fiscal Year Research-status Report
心臓におけるKCNQ1チャネル修飾サブユニットの機能解明
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17K08552
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中條 浩一 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (80390699)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イオンチャネル / KCNQ1チャネル / 心臓 / QT延長症候群 / オプトジェネティクス / ゲノム編集 / ゼブラフィッシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼブラフィッシュのKCNQ1チャネルおよびKCNEの各種遺伝子をCRISPR/Cas9により破壊することにより、ノックアウト動物ならびにGFPノックイン動物の作成を試みた。KCNE1をターゲットにした系統において、GFPの発現が認められ、GFPノックインである可能性が示唆されたが、その後の解析により、KCNE1遺伝子にGFPがノックインされたという証拠は得られなかった。引き続きノックアウト・ノックイン動物の作成を試みる予定である。 ノックアウト・ノックイン動物が得られたあとの解析のために、心臓の拍動を動画で取得し、心拍数などを定量的に解析するシステムを構築した。セルモーションイメージングシステムを用いた解析法の他、ズーム顕微鏡MVX10観察下でcMOSカメラによって高速に画像を取得し心拍数などが解析できるようになった。 オプトジェネティクスにより心臓の動きを変動させる目的で、cmlc2プロモーターにチャネルロドプシン(ChRWR)を発現させた組換えゼブラフィッシュを作成し、青色光により心筋を収縮させることに成功した。また刺激伝導系だけにChRWRを発現させたゼブラフィッシュも作成し、青色光により心拍数が増加することも確認することができた。KCNQ1, KCNE等のノックアウトゼブラフィッシュを作成がうまくいった場合、これらの魚と掛け合わせる予定である。心拍数等を人為的に変化させた場合、イオンチャネル遺伝子を欠損した心臓が、どのように応答するか調べる準備ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRISPR/Cas9による遺伝子ノックアウト・ノックイン動物の作成は、今のところ目的の魚が得られていないが、心臓の動画を記録・解析するシステムの構築については順調に進んでいる。またオプトジェネティクスのための魚はすでにできているため、ノックアウト動物の作成に成功した際は速やかに解析を行うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
CRISPR/Cas9による遺伝子ノックアウト・ノックイン動物の作成については、引き続き作成を試みる予定である。しかし、目的の動物が得られない可能性も考慮し、他のイオンチャネル遺伝子についてもノックアウト動物の作成を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
物品費の使用が予定よりも少なかった。また海外で行う予定であった成果発表を行わなかったため、旅費を使用することがなかった。以上の理由により、次年度使用額が生じた。新年度より大学を異動し、新しく研究室を立ち上げることになったため、次年度使用額分は必要な備品等の購入に充てる予定である。
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