2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular identity of TASK channels in adrenal medullary cells: A research with knockout mice
Project/Area Number |
17K08555
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
井上 真澄 産業医科大学, 医学部, 教授 (40223276)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 副腎髄質細胞 / PC12細胞 / TASK1チャネル / アシドーシス / センサー / p11 / TALK2チャンネル / gene knockout |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外液のpHの低下は、ラット副腎髄質細胞においてTASK1様チャネルを抑制してカテコールアミン分泌を促進する。TASKチャンネルの分子実体は、2PKチャネルのTASK1またはTASK3の homomerまたはheteromerである。そこで、gene knockout法を用いて、マウス副腎髄質細胞に発現しているTASK1様チャネルの分子実体を明らかにした。 pH低下による脱分極性内向き電流発生及びカテコールアミン分泌は、TASK1の遺伝子欠損により抑制されたが、TASK3の遺伝子欠損では影響されなかった。ただ、静止時の保持電流値はTASK1の遺伝子欠損によっては影響を受けなかった。マウス副腎髄質細胞の細胞辺縁には、主にTASK1様免疫反応物が局在し、TASK3様免疫反応物は存在しなかった。 proximity ligation assayにより、ラット副腎髄質細胞とPC12細胞にはTASK1/3ヘテロチャネルが形成されていないことが明らかになった。しかし、p11をPC12細胞に強制発現させると、TASK1/3ヘテロチャネルが形成されるようになり、このTASK1/3ヘテロチャネルは細胞膜でなく、細胞質に局在した。p11はラット副腎髄質細胞やPC12細胞には発現していなかったが、神経成長因子により分化させたPC12細胞では発現していた。 TASK1遺伝子欠損の副腎髄質細胞では、TASK1様免疫反応物が消失したが、TASK3様免疫反応物の発現増加は見られなかった。一方、2PKチャネルの一つであるTALK2チャネルの発現は、TASK1遺伝子欠損により促進された。 以上の結果から、副腎髄質細胞においてTASK1ホモチャネルが酸のセンサーとして機能していると結論された。このTASK1ホモチャネルの酸センサーとしての機能は、p11が発現していないことにより促進されていると考えられる。
|