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2017 Fiscal Year Research-status Report

ドーパミン神経系異常と心理的ストレスが引き起こす多動性障害の機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17K08576
Research InstitutionTokyo University of Pharmacy and Life Science

Principal Investigator

梅村 真理子  東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (30521489)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsドーパミン / モノアミン / 脳 / 行動異常
Outline of Annual Research Achievements

近年、多動を特徴とする発達障害が子供・大人共に増加し、二次障害として不安障害や反抗挑戦性障害などを併発することが報告されている。さらに、多動性障害の原因の一つとしてドーパミンなどのモノアミン神経系の異常あると考えられている。私達は、ストレス応答性の転写因子ATF5を同定し、ATF5欠損マウスが多動の表現型を示すことを明らかにした。さらに、ATF5欠損マウスの脳の各領域においてドーパミンの定量を行ったところ、情動を司る扁桃体などでドーパミンの量が顕著に減少していることがわかった。以上のことから、ATF5欠損マウスの異常行動の原因の一つは、ドーパミン神経系を含むモノアミン神経系の破綻であることが予想された。これらのことから、ATF5が関与する多動を含む行動異常を引き起こす原因を明らかにすることを目的とした。
本年度は、ATF5欠損マウスのモノアミン神経系の解析を行った。ドーパミン合成に関与するTHの免疫染色によりドーパミン作働性ニューロンの解析を行なった。8週齢のATF5欠損マウスにおいてドーパミン作働性ニューロンの起始部である腹側被蓋野と投射先である線条体ではTH発現には顕著な差は見られなかった。一方、AADC、COMTなどのドーパミンの生合成・代謝に関与している因子は、ATF5欠損マウスと野生型マウスではmRNA発現量に差がなかった。また、モノアミン神経伝達物質であるセロトニン作働性ニューロンの解析を行ったところ、ATF5欠損マウスの縫線核でセロトニン作働性ニューロン数が変化していることが明らかになった。
一方、マウス神経芽細胞腫Neuro-2a細胞をジブチリルcAMP(dbcAMP)を添加し、ドーパミンニューロンへ分化を試みた。しかし、dbcAMPを添加したNeuro2a細胞においてTHの発現量は変化せず、ドーパミン作動性ニューロンへの分化が確認できなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は交付申請書に記載した通りドーパミンを含むモノアミン神経系の解析を計画した。ドーパミン合成因子であるTHの発現はATF5欠損マウスの腹側被蓋野、及び線条体で野生型マウスと比べて顕著な差は見受けられなかったが、セロトニン作働性ニューロンの数がATF5欠損マウスの縫線核において変化していることが明らかになった。したがって、研究課題の進捗状況は概ね順調であると言える。次年度は、ATF5の下流因子の探索を行い、モノアミン作働性ニューロンの変化の原因を明らかにしたいと考えている。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、モノアミン作働性ニューロンの解析を行った。ドーパミン合成因子であるTHの発現はATF5欠損マウスの腹側被蓋野、及び線条体で野生型マウスと比べて顕著な差は見受けられなかったが、セロトニン作働性ニューロン数がATF5欠損マウスの縫線核において変化していることが明らかになった。次年度は、さらに、モノアミンの合成・代謝に関与する因子の解析を行うととともに、モノアミン作働性ニューロン数が変化した原因を解析する。ATF5欠損マウス脳のRNA発現解析を行いたいと考えている。

Causes of Carryover

本年度は、モノアミン作働性ニューロンの解析を行った。次年度は、さらに、モノアミンの合成・代謝に関与する因子の解析を継続するととともに、モノアミン作働性ニューロン数が減少した原因を解析するために、ATF5欠損マウスのRNA発現解析を行う予定である。そのための消耗品の購入やRNA発現の受託解析を行いたいと考えている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Comprehensive Behavioral Analysis of Activating Transcription Factor 5-Deficient Mice2017

    • Author(s)
      Umemura Mariko、Ogura Tae、Matsuzaki Ayako、Nakano Haruo、Takao Keizo、Miyakawa Tsuyoshi、Takahashi Yuji
    • Journal Title

      Frontiers in Behavioral Neuroscience

      Volume: 11 Pages: 125

    • DOI

      10.3389/fnbeh.2017.00125

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Activating transcription factor 5 (ATF5) deficiency induces behavioral abnormality in mice2017

    • Author(s)
      Mariko Umemura, Tae Ogura, Yasuyuki Kaneko, Haruo Nakano, Shigeru Takahashi, Keizo Takao, Tsuyoshi Miyakawa, Yuji Takahashi
    • Organizer
      第40回日本神経科学大会
  • [Presentation] ATF5調節性のmicroRNAによるマウス嗅細胞の分化誘導2017

    • Author(s)
      中野 春男, 粟野 聖月, 古川 愛子, 久保 茉実, 平尾 仁美, 梅村 真理子, 高橋 滋, 高橋 勇二
    • Organizer
      2017年度生命科学系学会合同年次大会(ConBio2017)

URL: 

Published: 2018-12-17  

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