2019 Fiscal Year Annual Research Report
Sexually dimorphic forebrain nucleus and social bonding
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17K08578
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
佐久間 康夫 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (70094307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折笠 千登世 日本医科大学, 先端医学研究所, 准教授 (20270671)
濱田 知宏 日本医科大学, 医学部, 助教 (90312058)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オキシトシン / 愛着 / 性指向 / 嗅覚 / フェロモン / 鋤鼻器 / 発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
雌・雄のオキシトシンノックアウト(KO)マウスを用いて、嗅覚に依存する性指向性を調べた。KOマウスは嗅球でのオキシトシン作用に依存する社会的記憶を欠くとされるが、性ホルモンに左右される性的指向も、雄では発情雌と非発情雌、また雌では健常雄と精巣摘除雄の区別が再三の試行によってもできなかった。性指向はそれぞれの性に固有の性フェロモンを手がかりとして学習が起こる。(2)雄ラットの性フェロモンの一つ、涙腺から分泌されるcystatin-related protein 1(CRP-1)は雌ラットの受容行動であるロードーシス反射に先だつ静止行動を誘起した。興味深いことに、ラットを天敵とするマウスでは、CRP-1が警報フェロモンとして作用し、回避行動とうずくまりを起こした。(3)ラットではオキシトシンが母仔・同胞との触れあいにより分泌される。早期の母子分離は「愛着」や「共感性」の成立を阻害し、成熟後社会性を欠き正常に交尾・仔育て行動ができない個体を生じる。同胞との触れあい、時に乱暴な"rough and tumble"行動が個体の社会性の個体の社会性の成立に必須である。この"rough and tumble"行動をまねて、験者が手を用いて離乳後性成熟に至るまでの時期に毎日触刺激を反復すると、刺激されたラットはいわば「手乗りラット」となり、験者との接触を積極的に求めるようになる。これまで少なからぬ研究が、この現象の中枢機構の解明を目指して行われてきたが、本課題では、刺激を与える験者に生じるラットへの「愛着」に注目し、特に東京医療学院大学が作業療法士養成の責を担っていることから、動物介在療法への応用を目指して研究を進め、作業療法専攻の卒業研究として取りまとめた。
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Research Products
(5 results)