2018 Fiscal Year Research-status Report
慢性疼痛の治療ターゲットとしての核内受容体REV-ERBの機能解析と創薬への展開
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17K08596
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森岡 徳光 広島大学, 医歯薬保健学研究科(薬), 教授 (20346505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 一恵 (久岡一恵) 広島大学, 医歯薬保健学研究科(薬), 助教 (20393431)
仲田 義啓 広島大学, 医歯薬保健学研究科(薬), 名誉教授 (40133152)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / REV-ERB / アストロサイト / 脊髄後角 / 鎮痛薬 / 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、慢性疼痛におけるREV-ERBの関与およびその役割を明らかにすることで、REV-ERBの慢性疼痛の新規標的としての可能性を示すことを目的として検 討を行った。核内受容体であるREV-ERBは様々な遺伝子発現の制御に関与している可能性があり、慢性疼痛の発症に寄与することが知られている脊髄ア ストロサイト機能に対するREV-ERBの関与を検討したところ、初代培養脊髄アストロサイトにおけるlipopolysaccharide(LPS)及びtumor necrosis factorによる疼痛誘発物質 (interleukin(IL)-1β、IL-6、matrix metalloproteinase(MMP)-9)のmRNA発現増大反応が、REV-ERB作動薬であるSR9009の前処置によって有意に抑制 されることが明らかとなった。またLPS刺激によるIL-1β、IL-6及びMMP-9のタンパク発現も優位に抑制された。REV-ERBを介した疼痛誘発物質発現抑制作用に対するhistone deacetylase 3(HDAC3)の関与を検討したところ、 HDAC3 inhibitorであるRGFP966を前処置することにより、IL-1β及びIL-6発現抑制は拮抗されたものの、MMP-9発現に対しては無影響であった。またLPSを脊髄くも膜下腔内に投与することで作製した炎症性疼痛モデルにおいて、REV-ERB作動薬SR9009は脊髄後角におけるアストロサイトの活性化を抑制するとともに、IL-1β及びIL-6発現増大を有意に抑制した。さらに、坐骨神経結紮、糖尿病及び抗癌剤による神経障害性疼痛に対してもSR9009を脊髄くも膜下腔内に処置することにより機械的疼痛閾値の低下(機械的アロディニア)が有意に減弱することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度研究において、複数の慢性疼痛モデルに対してREV-ERB作動薬の鎮痛効果を実証できた。さらに、REV-ERBを介した鎮痛作用メカニズムの一端にアストロサイトにおける疼痛誘発物質産生の抑制効果が関与していることを明らかにした。またREV-ERBを介した疼痛誘発物質産生抑制には、エピジェネティクス制御が関与することも同定した。
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Strategy for Future Research Activity |
REV-ERBを介した鎮痛作用メカニズムをさらに詳細に明らかにするべく、検討を行う。特に疼痛の慢性化に重要な役割を有するミクログリア機能に対するREV-ERBに作用について検討を行う。また新規REV-ERB作動薬の探索に向けたスクリーニング系の構築とその解析を進めていくことで、現在用いているSR9009を上回る力価・安定性を有した化合物の同定を行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 購入を予定していた試薬の値段が予定より高騰していたため、格安の類似薬に変更した。そのために差額が生じた。 (使用計画) 本年度は予定していた試薬を購入し、研究計画に沿って実験を遂行する予定である。
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Research Products
(3 results)