2017 Fiscal Year Research-status Report
臨床応用に向けたGSK-3活性化物質DIFの抗がん作用標的分子の同定
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17K08598
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
高橋 富美 産業医科大学, 医学部, 教授 (50274436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 俊之 九州大学, 医学研究院, 教授 (30261209)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗がん薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は有望な抗がん薬開発ターゲットであるグリコーゲン合成酵素キナーゼ-3(GSK-3)の活性化をその分子基盤とし、細胞周期進行をG1期で強力に拘束するDifferentiation-inducing factor;DIFをリード化合物とした、“新規抗がん薬”の開発を目指して研究を続けている。現在までに、DIFの作用機序に加えて、生体内でも抗がん作用を持つことを報告してきた。しかし、標的分子の解明に至っていないため、臨床応用への展開が困難となっている。そこで本研究では、GSK-3タンパク質側からとDIF分子側からの2種類のプルダウン法でDIF標的分子の探索・同定を行う予定である。 本年度はGSK-3タンパク質側からのプルダウンを行うために、FLAGタグを付けたタンパク質の作成を行った。GSK-3betaについては、クローニングに続き、FLAGタグを付きタンパク質の作成に成功したが、GSK-3alphaについては、現在までのところクローニングがうまく行っていない。現在、プライマーおよびクローニングの手法についての検討を重ねている。作成に成功したFLAGタグを付きGSK-3betaタンパク質を用いてプルダウンアッセイをHeLa細胞を用いてを行ったところ、複数の候補タンパク質を得ることができた。今後条件等をさらに検討していく予定である。 DIF分子の修飾については、どの部分の修飾が最もDIFの活性に影響を及ぼす可能性が少ないかについての検討を、DIFのサイクリンD1分解能を指標として現在行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の目的である標的分子の探索は、タグ付きGSK-3betaを用いることで、銀染色により複数のタンパク質を候補として見出すことができた。 また、初年度には予定していなかったが、DIF分子の至適修飾部位についての検討も行うことができた。 しかしながら、GSK-3alphaのクローニングがうまく行えておらず、2種類のタンパク質を用いたプルダウンを実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
タグ付きGSK-3betaを用いたプルダウン法では、実験条件を変えて検討を行い、再現性の高い結果が得られるようになれば、質量分析を行う予定である。 GSK-3alphaのクローニングについては、パーシャルクローニングを行うことで解決できるのではないかと考えている。 DIF分子の修飾については、今後も連携研究者と協議を重ねて行く予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は所属を異動したことにより、研究に若干の遅れが生じ、予定していた外部委託による質量分析を行うことができなかった。次年度は当初の予定通りに質量分析を行う。
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Research Products
(2 results)