2018 Fiscal Year Research-status Report
SIRT1による新規オートファジー制御機構の解明とヒト心不全における意義
Project/Area Number |
17K08600
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
久野 篤史 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30468079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
矢野 俊之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40444913)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | SIRT1 / オートファジー / マイトファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
SIRT1による新しいオートファジー制御機構の解明に関して、以下の結果を得た。 1)H9c2心筋芽細胞において、ミトコンドリア脱分極により誘導されるマイトファジー(ミトコンドリアの分解)はsiRNAによるSIRT1ノックダウンにより阻害されたことから、マイトファジーによるミトコンドリア分解の完了にはSIRT1が必要であることが示された。 2)心筋細胞特異的SIRT1ノックアウトマウスの心臓におけるオートファジー活性を評価した。オートファゴソームの指標であるLC3-IIレベルは野生型マウスと比較してSIRT1ノックアウトマウスの心組織で増加していたが、クロロキン処置によるリソソーム機能の抑制により野生型で見られたオートファゴソームの蓄積はノックアウトマウスでは見られなかった。従って、SIRT1ノックアウトによるオートファゴソームの増加はミトコンドリア分解が滞っていることによると考えられ、SIRT1がオートファゴゾーム分解の過程に関わるという我々の仮説が支持された。 3)H9c2細胞において、mTORC1活性化により障害されるマイトファジーは、SIRT1の活性化により回復することが示された。 4)心筋組織やH9c2細胞において、SIRT1抗体による免疫沈降物から蛋白質量分析によるSIRT1結合蛋白の同定を試み、いくつかの候補蛋白が得られた。 5)現在、いくつかのオートファジー制御蛋白とSIRT1の結合や、アセチル化修飾についての検討を続けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SIRT1によるマイトファジー完了の分子機序の解明が不十分であること、またヒト心筋組織における解析がこれからであることから。
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Strategy for Future Research Activity |
現愛着目しているSIRT1標的の候補蛋白が、いかにSIRT1により調節を受けるかを、分子生物学的手法を用いて明らかにする。また以上の結果を受けてヒト心筋生検検体での解析項目を絞る。
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Causes of Carryover |
蛋白質量分析に予定していた金額は他の研究費で補うことができたため。ヒト心筋組織の解析に用いる試薬の購入に充てる予定である。
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