2018 Fiscal Year Research-status Report
キサンチンデヒドロゲナーゼ発現抑制によるヒト尿酸代謝完全モデルマウスの作出
Project/Area Number |
17K08605
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
細山田 真 帝京大学, 薬学部, 教授 (00291659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 直子 帝京大学, 薬学部, 講師 (60525814)
金子 希代子 帝京大学, 薬学部, 教授 (90147075)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ / ウリカーゼ / キサンチンオキシドレダクターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、心血管障害や腎障害の独立した危険因子である高尿酸血症の発症メカニズムを明らかにする研究に必要な、尿酸代謝に関与する酵素であるウリカーゼ(Uox)、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)、キサンチンオキシドレダクターゼ(XOR)の発現量をそれぞれ欠失、増強、抑制させてヒトの発現量に一致させたマウスを作出し系統樹立することを目的としている。 平成30年度の研究実施計画として、HPRT高活性Uox-Xor-ダブルノックアウト-ヒトXOR低発現マウスを作出する目的で、ヒトXOR低発現トランスジェニックマウスの作出を進めた。前年度にクローニングしたヒトXORプロモーター領域-1~-842の下流にヒトXOR cDNAを挿入し、トランスジェニックマウス作製用の導入遺伝子断片を作成した。導入遺伝子断片を共同研究先である国立遺伝学研究所に送付し、DBAマウス受精卵へのインジェクションを行った。雄8匹、雌3匹の産仔が得られた。当初の計画では作出したヒトXDHトランスジェニックマウスをHPRT高活性Uox-Xor-ダブルノックアウトマウスと交配する予定であったが、XorノックアウトマウスはHPRT高活性でも致死的であったため、計画を変更してHPRT高活性Uoxノックアウト-Xorヘテロマウスと交配させることにより、雄由来7系統、雌由来2系統、計9系統のヒトXDHトランスジェニック系統が得られた。 次年度は、F2世代におけるXorノックアウト-ヒトXORトランスジェニックマウスに対して、尿中アラントイン排泄およびオキシプリン排泄の消失と、尿中尿酸排泄の減少している系統を選別していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はHPRT高活性UoxノックアウトXorダブルノックアウトマウスの作出を試みたがうまく行かないことが判明した。したがって、平成30年度の研究実施計画としてHPRT高活性UoxノックアウトXorヘテロマウスにヒトXOR低発現トランスジェニックマウスを交配させることにより、Xorノックアウトマウスの作出を回避してXOR活性の抑制に到達する方法に変更した。これによって計9系統のヒトXDHトランスジェニック系統が得られ、ほぼ当初の計画通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
9系統のトランスジェニック系統のF2世代の中でHPRT高活性Uox-Xor-ダブルノックアウト-ヒトXOR低発現マウスを同定し、対クレアチニン比で尿中オキシプリン排泄量が低下しているかどうかを検討する。HPRT高活性Xorノックアウトマウスにおいては尿中オキシプリン排泄量が半減することから、同程度に尿中オキシプリン排泄量が低下したHPRT高活性Uox-Xor-ダブルノックアウト-ヒトXOR低発現マウスを選別し、C57BL/6の遺伝的バックグラウンドとなるようにバッククロスを進める。
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Causes of Carryover |
ヒトXDHトランスジェニックマウス作出費用として準備していたが、大学が科研費からの使用を認めなかったため。次年度に試薬等の物品費として用いる予定。
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