2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞由来心筋細胞の特徴付けによる催不整脈性リスク指標の確立
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17K08608
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中瀬古 寛子 東邦大学, 医学部, 講師 (80408773)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心毒性 / 催不整脈性 / 抗不整脈性 / ヒトiPS細胞由来心筋細胞 / 電気生理学 / 電気薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
Amiodarone、bepridilおよび E-4031の3薬物を用いて、ヒトiPS細胞由来心筋細胞における興奮伝導(FPDと伝導)、刺激電流の閾値、有効不応期と有効不応期からFPDを引いた差分(ms):post-repolarization refractorinessの変化を解析した。これらの指標によってマルチチャネル遮断薬の持つNa+チャネル遮断、Ca2+チャネル遮断およびK+チャネル遮断の動態および相対的バランスの概略を検出する方法を開発し、論文にて報告した:Izumi-Nakaseko H, et al. J Pharmacol Sci. 2018 Aug;137(4):372-378. また、慢性骨髄腫の治療薬で、低分子チロシンキナーゼ阻害薬であるdasatinibを用いて同様の評価系を適用し、その特徴と催不整脈性の有無を明らかにした(現在リバイス中)。さらにMED64システムと高速度デジタルCMOSカメラ(KP-FM400WCL, セルモーションイメージングシステムSI8000シリーズ、SONY、東京)を組み合わせ、電気的ペーシング(刺激周期長500-1400 ms)で誘発した拍動の再分極時間、伝導速度と収縮のモーションベクトルの同時測定を行った。インキュベーター内のO2濃度を95%と20%(空気)の2種類で行い、心筋の伝導興奮と収縮に対する溶存酸素濃度の影響をコントロール、溶媒のみ、10 nM (-)-isoproterenol存在下で比較実験を行った。その結果は現在解析中である。 また電気刺激位置を調整することによって収縮と弛緩の方向をコントロールし、収縮と弛緩ベクトルを分離することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度計画した研究に関して、H30年度に原著論文で報告することが出来た。H30年度はH29年度の計画の一部とH30年度の計画を行い、現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
収縮ベクトルと電気生理学的変化の相関の解析結果を受けて、心臓への陰性変力作用をもつ薬物の収縮ベクトルにおける表現型の解釈方法を開発するかどうか決定する。また、陰性変時作用がヒトiPS細胞由来心筋細胞で再現できる場合は、Ca2+動態の変化やミトコンドリアの呼吸能の変化などを測定してその機序を検討する。
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Causes of Carryover |
MED64システムと高速度デジタルCMOSカメラ(KP-FM400WCL, セルモーションイメージングシステムSI8000シリーズ、SONY、東京)の組み合わせ実験において、顕微鏡上のインキュベータ本体とガスの温度コントロール装置を購入ではなく、貸出で対応した。新年度の上記実験の継続も貸出で対応し、その差分を用いてヒトiPS細胞由来心筋細胞(1本当たり15万円)1本、多電極プローブ(1枚当たり3万円)、細胞内シグナルを解析するための薬物や消耗品購入等に充てる予定である。
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[Presentation] モンゴル薬用植物Adonis mongolicaの心血管系に対する薬理作用2018
Author(s)
中瀬古(泉)寛子, 李巍, 長澤(萩原)美帆子, 田中耕一郎 , Choijamts G, Batkhuyag P, Yeruult C, Khaliun N, Narantungalag D, 内藤篤彦, 小池一男, 杉山篤
Organizer
第20回応用薬理シンポジウム(東京)
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