2020 Fiscal Year Research-status Report
膜結合型コレクチンCL-P1による新規補体活性化メカニズムの解明
Project/Area Number |
17K08615
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
大谷 克城 酪農学園大学, 農食環境学群, 教授 (90396367)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 免疫学 / 補体 / コレクチン / スカベンジャー受容体 / 血管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスを用いたCL-P1を介した補体活性化メカニズムの解明が、困難となったことから、よりin vivoに近い状態で検証する目的で、遺伝子発現に汎用される細胞ではなく、血管内腔側にある血管内皮細胞を用いて、現象を確認し、血管炎など関連性が想定される疾患のメカニズムの解明に取り組むことにした。前年度試みた炎症などがおこる際にCL-P1の発現が上昇していることを想定した検討についてさらに進めた結果、炎症性サイトカインの刺激では発現には影響しないことが明らかとなった。また、動物実験によるin vivoでの検討について、今後研究が進められるよう、モデルマウスの作製を別途進めることについては、ゲノム編集技術により作製することにし、準備を進めた。 今年度は下記①~③について検討を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、大学への入校制限や試薬、消耗品の入手困難によりほとんど進めることが出来なかった。①CL-P1過剰発現ヒト血管内皮細胞で証明されたCL-P1を介した補体活性化を、CL-P1過剰発現細胞でなく、炎症性サイトカインや過酸化脂質などにより、炎症状態を誘導することにより、CL-P1の発現動態および補体活性化を検討すること。②その対照として、CL-P1欠損ヒト血管内皮細胞をゲノム編集技術などにより作成し、比較を行い、炎症性疾患における補体活性化のメカニズムをin vitroであるが検討を行うこと。③「MAC形成ステップ」における細胞上に形成されたMACの詳細な形成像の観察を、電子顕微鏡を用いて行い、蛍光抗体や金コロイド抗体を用いた局在を合わせて明らかにすること。 期間延長申請を行い、承認されたことより、次年度研究を継続する。仮説に反した結果となり、計画の変更を余儀なくされたが、結論を出す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、大学への入校制限や試薬、消耗品の入手困難によりほとんど進めることが出来なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に研究を終了できず延長し、さらに新型コロナウイルス感染症の影響により延長の申請を行い承認されたことより、次年度は下記の研究を進めまとめる予定である。 CL-P1過剰発現ヒト血管内皮細胞で証明されたCL-P1を介した補体活性化を、CL-P1過剰発現細胞でなく、炎症性サイトカインや過酸化脂質などにより、炎症状態を誘導することにより、CL-P1の発現動態および補体活性化を検討する。その対照として、CL-P1欠損ヒト血管内皮細胞をゲノム編集技術などにより作成し、比較を行い、炎症性疾患における補体活性化のメカニズムをin vitroであるが検討を行う。「MAC形成ステップ」における細胞上に形成されたMACの詳細な形成像の観察を、電子顕微鏡を用いて行い、蛍光抗体や金コロイド抗体を用いた局在を合わせて明らかにする。 動物実験によるin vivoでの検討のために進めてきたモデルマウスの作製も継続して進める。
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Causes of Carryover |
これまでの遅れおよび実験計画の変更に加え、新型コロナウイルス感染症の影響によりさらに研究が遅れたため、次年度への繰越しが生じた。主に実験に用いる物品費に使用し、一部学会発表のための旅費に充てる予定である。
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[Presentation] 同種造血細胞移植後早期の補体Ba上昇は移植関連血栓性微小血管症の発症予測マーカーになり得る2020
Author(s)
岡村 浩史, 中前 博久, 進藤 岳郎, 大谷 克城, 日高 義彦, 大塚 泰史, 南野 智, 中嶋 康博, 康 秀男, 廣瀬 朝生, 中前 美佳, 日野 雅之, 若宮 伸隆, 井上 徳光
Organizer
日本移植学会