2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analyisis of regulome through E/Id protein axis in Treg cells
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17K08629
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮崎 和子 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 研究員 (00311811)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝子発現制御 / Treg |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年までに、RNA-seq、ATAC-seqなどの遺伝子発現解析およびオープンクロマチン領域の解析を行ってきた。しかしながら、Id2 flox/flox; Id3 flox/flox; Foxp3Cre(Id2/Id3/Foxp3Cre)マウスで認められた全身性のアレルギー炎症が、本当にTreg細胞の炎症抑制機能に依存しているのかは、完全には証明できていない。そして、Id2/Id3/Foxp3Creマウスでは、若年期に全身性の炎症疾患を発症するため、炎症下での影響を排除することが困難であり、様々な炎症反応におけるId2/Id3の機能を検討することは難しい。 この問題を解決するため、Id2 flox/flox; Id3 flox/flox; Foxp3Cre/Foxp3-DTR(Diphteria Toxin Receptor)(Id2/Id3/Foxp3Cre/DTR)マウスを作製した。このマウスを使用することで、Treg細胞は、Id2/Id3欠損Treg細胞と野生型のTreg細胞の両方が混在する形となり、全身性の炎症が起きない。一方、Diphteria toxinをマウスに投与すると、DTRを発現する野生型Treg細胞は排除され、Id2/Id3欠損Treg細胞だけとなる。このId2/Id3/Foxp3Cre/DTRを用いて、Diphteria Toxinを投与したところ、2-4週間後には、Id2/Id3/Foxp3Creと同様の、全身性の皮膚炎、気管支炎症、食道炎という炎症反応を起こし、やはりId2/Id3によるTreg細胞の機能制御が全身性の炎症抑制に必須であることが証明された。このモデルマウスを使用することで、今後、様々な炎症・感染におけるId2/Id3のTreg細胞に及ぼす真の影響を、炎症を惹起してから評価することが可能となった。
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