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2018 Fiscal Year Research-status Report

分泌性糖タンパク質Wnt5aの生体内動態及び動態制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17K08633
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

原田 武志  大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30362768)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsライブイメージング / Wnt5a / CRISPR
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度はVenus-Wnt5aノックイン(KI)マウスのホモ接合体(KI/KI)が致死になる理由を明らかにするため、胎生13.5日のVenus-Wnt5a KI/KIの胎児から線維芽細胞を単離し、培養を行った。私共はマウスの胎児線維芽細胞はWnt5aを分泌し、オートクラインに働いてDvlのリン酸化を引き起こすことをこれまでに見出していたので、Venus-Wnt5a KI/KI由来の胎児線維芽細胞におけるWnt5aの発現量と分泌量、Dvlのリン酸化レベルをウエスタンブロットにより野生型マウスと比較した。胎児線維芽細胞においてWnt5aの発現量および分泌量はKI/KIの方が野生型よりも多かったが、Dvlのリン酸化レベルは野生型とKI/KIで有意な差はなかった。また胎児線維芽細胞をWntの分泌を阻害するIWP2の処理することにより、Wnt5a依存的なDvlのリン酸化は野生型とKI/KI共に抑制された。以上から、少なくともin vitroの胎児線維芽細胞においてはVenus-Wnt5aは正常に分泌され、受容体に結合し、シグナルを伝える能力を有することが明らかとなった。しかしながら、Venus-Wnt5a KI/KIマウスは致死となることから、in vivoにおいてはVenus-Wnt5aは正常に機能していないことが推測されるがその要因をin vitroの実験で明らかにするのは困難であった。今後の解析に用いるためのVenus-Wnt5a KIのヘテロマウスを交配により得ることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、Venus-Wnt5aノックインマウスの作製に成功し、Venus-Wnt5aが発現することは確認できているため。また、解析に用いるためのVenus-Wnt5a KIのヘテロマウスの準備は完了している。

Strategy for Future Research Activity

成体ではDSS投与後の腸管の大腸潰瘍部線維芽細胞でWnt5aの発現が大きく上昇する。Venus-Wnt5a KIにDSSを投与して、Venus-Wnt5aの発現がこれらの内在性のWnt5aの発現と同様に大腸潰瘍部線維芽細胞で上昇するか否かをまず確認する。発現の誘導を確認した後、Venus-Wnt5a KIにDSSを投与して腸管炎症を引き起こす。腸管炎症を起こしたマウスの腸管を麻酔下で取り出し、セルソーターを用いてVenus-Wnt5a高発現線維芽細胞を単離する。Venus-Wnt5a高発現線維芽細胞とVenus-Wnt5a低発現線維芽細胞の遺伝子発現をRNAシークエンスにより比較することにより、Venus-Wnt5a高発現線維芽細胞で活性化しているシグナル伝達経路や発現の高い転写因子を同定する。同定したシグナル伝達経路の阻害剤や転写因子に対するsiRNAでWnt5a高発現線維芽細胞を処理して、Wnt5aの動態に与える影響についても検討する。また私共は発がん物質アゾキシメタン(AOM)の投与とその後のDSS 投与を組み合わせた大腸癌モデルにおいて、大腸腫瘍組織のビメンチン陽性線維芽細胞Wnt5aの発現が亢進していることを見出している。そこでVenus-Wnt5a KIにAOM/DSS を用いて大腸癌を誘導して、生じた大腸腫瘍組織のビメンチン陽性線維芽細胞におけるVenus-Wnt5aのライブイメージングを行い、炎症を背景とした大腸癌におけるWnt5aタンパク質の生体内動態及びその動態制御機構を明らかにする。また、Ror2のタモキシフェン誘導型ノックアウトマウスを用いて腸管炎症や大腸癌を誘導し、Ror2が欠損した状態でVenus-Wnt5aの動態が変化するか否かを観察する。

Causes of Carryover

研究計画が順調に進んでいたため、当該年度に消耗品を新たに買う必要が無くなったため。
最終年度はVenus-Wnt5a KIマウスの生化学的解析やライブイメージングを行うために大量の消耗品が必要であり、消耗品費として使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Chemically Modified Antisense Oligonucleotide Against ARL4C Inhibits Primary and Metastatic Liver Tumor Growth2019

    • Author(s)
      Harada Takeshi、Matsumoto Shinji、Hirota Suguru、Kimura Hirokazu、Fujii Shinsuke、Kasahara Yuuya、Gon Hidetoshi、Yoshida Toshihiko、Itoh Tomoo、Haraguchi Naotsugu、Mizushima Tsunekazu、Noda Takehiro、Eguchi Hidetoshi、Nojima Satoshi、Morii Eiichi、Fukumoto Takumi、Obika Satoshi、Kikuchi Akira
    • Journal Title

      Molecular Cancer Therapeutics

      Volume: 18 Pages: 602~612

    • DOI

      10.1158/1535-7163.MCT-18-0824

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] CKAP4, a DKK1 Receptor, Is a Biomarker in Exosomes Derived from Pancreatic Cancer and a Molecular Target for Therapy2019

    • Author(s)
      Kimura Hirokazu、Yamamoto Hideki、Harada Takeshi、Fumoto Katsumi、Osugi Yoshihito、Sada Ryota、Maehara Natsumi、Hikita Hayato、Mori Soichiro、Eguchi Hidetoshi、Ikawa Masahito、Takehara Tetsuo、Kikuchi Akira
    • Journal Title

      Clinical Cancer Research

      Volume: 25 Pages: 1936~1947

    • DOI

      10.1158/1078-0432.CCR-18-2124

  • [Presentation] 小胞体―ミトコンドリア連携ゾーンにおけるII型膜タンパク質CKAP4の機能解析2018

    • Author(s)
      原田武志、大杉祥仁、松本真司、菊池章
    • Organizer
      第91回日本生化学大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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