2019 Fiscal Year Research-status Report
分泌性糖タンパク質Wnt5aの生体内動態及び動態制御機構の解明
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17K08633
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 武志 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30362768)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Wnt5a / ライブイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度はVenus-Wnt5aノックインマウスにDSSを投与して、Venus-Wnt5aの発現が内在性の Wnt5aの発現と同様に大腸潰瘍部線維芽細胞で上昇することをVenusにする免疫染色により確認した。次に、Venus-Wnt5a KIにDSSを投与し腸管炎症を引き起こしたマウスの腸管を麻酔下で取り出し、セルソーターを用いてVenusの蛍光によりVenus-Wnt5a高発現線維芽細胞の単離を試みた。しかし、Venus-Wnt5aの蛍光が弱すぎたため、細胞の単離が困難であった。そこでVenus-Wnt5aノックインマウスの胎児由来でVenus-Wnt5aが発現していることを確認済のVenus-Wnt5a胎児線維芽細胞を用いて、in vitroでのライブイメージングを試みた。抗Venus抗体を用いた免疫染色により、細胞内の分泌される前のVenus-Wnt5aは観察されたが、細胞外に分泌されたVenus-Wnt5aの観察は出来なかった。また胎児線維芽細胞においてもVenus-Wnt5aの蛍光が弱すぎたため、固定しない状態でのライブイメージングは困難であった。そこで、Wnt5aの発現が腫瘍組織の間質部分で上昇することが分かっている発がん物質アゾキシメタン(AOM)の投与とその後のDSS 投与を組み合わせた大腸癌モデルの腫瘍部から線維芽細胞をセルソーターを用いて単離し、シングルセル解析を行った。腫瘍部線維芽細胞のうちWnt5aを高発現する特定の繊維芽細胞の集団が存在し、Wnt5aの発現と相関する遺伝子が存在することを明らかにした。今後はWnt5aノックアウトマウスにおいて、これらの細胞集団と遺伝子の発現の挙動を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、Venus-Wnt5aノックインマウスの作製に成功し、Venus-Wnt5aが発現することは確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
内在性レベルの発現量で蛍光観察するため に、Venusより蛍光強度の高いタグへの変更もしくは、Venusの蛍光をより増強する手法の開発を行っていく。Wnt5aノックアウトマウスにAOMとDSS 投与を行い、腫瘍部から線維芽細胞をセルソーターを用いて単離し、シングルセル解析を行い、野生型マウスにおいて観察されたWnt5aを高発現する腫瘍部線維芽細胞集団と、Wnt5aの発現と相関する遺伝子の発現の挙動を明らかにすることにより炎症を伴う大腸癌におけるWnt5aの役割を解明する。
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Causes of Carryover |
当初の計画通りにVenus-Wnt5aノックインマウスの作製には成功し、ウエスタンブロットではVenus-Wnt5aの発現を確認できたが、生きた状態での直接のVenus-Wnt5aの蛍光観察は出来なかった。内在性レベルの発現量で蛍光観察するために、Venusより蛍光強度の高いタグへの変更もしくは、Venusの蛍光をより増強する手法の開発が必要となったため。
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Research Products
(3 results)