2018 Fiscal Year Research-status Report
Understanding mechanism of genome instability in hereditary breast cancer induced by telomere dysfunction
Project/Area Number |
17K08649
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小西 昭充 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50381877)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | テロメア / 遺伝性乳ガン / 染色体末端融合 / DNA損傷応答 / ゲノム不安定化 |
Outline of Annual Research Achievements |
染色体末端に存在するテロメアはゲノム安定性の維持に非常に重要であり、テロメア機能の破綻は染色体末端の融合を誘導し、癌細胞で高頻度に見られる染色体の欠損・転座を引き起こす。 我々は、染色体末端融合が遺伝性乳癌原因遺伝子である BRCA1 によって制御されていることを見出した。乳癌は女性で最も多い癌であり、その約10%がBRCA 遺伝子の異常によって起こる遺伝性乳癌である。本研究は、テロメア機能に着目して遺伝性乳癌における ゲノム不安定化機構を明らかにし、癌抑制のための基盤技術の開発を目指している。 我々は、これまでにテロメア機能破綻時に起こる染色体融合が特定の細胞周期でのみ起こることを見出している。染色体融合にはテロメアクロマチンのユビキチン化が重要なステップとなっているが、平成30年度はテロメア機能不全時の細胞周期依存的なテロメアクロマチンのユビキチン化制御を中心に解析を進めた。その結果、ユビキチン化酵素は細胞周期を通じてテロメアに局在してくるのに対して、家族性乳ガン遺伝子であるBRCA1複合体がこのユビキチン化酵素の機能をS/G2細胞周期特異的に抑制していることが明らかになった。BRCA1複合体の発現をRNAi法によって抑制すると、S/G2細胞周期でのテロメアクロマチンのユビキチン化抑制が解除された。さらに、細胞周期キナーゼCDKによりリン酸化されるBRCA1複合体因子に着目して、CDKによるリン酸化部位に変異を導入してリン酸化が起こらないような変異体を樹立した。この変異体を細胞に導入すると、RNAi法によるノックダウンと同様にテロメア機能不全時に起こるテロメアクロマチンユビキチン化の細胞周期依存性が消失した。以上の結果は、BRCA1複合体因子が染色体融合に関与するクロマチンユビキチン化制御に強く関与していることを示している。 研究成果について国内学会で4回の発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度において、BRCA1複合体によるテロメア機能破綻時の染色体融合に強く関与するテロメアクロマチンユビキチン化の制御機構を明らかにすることができた。 当初の研究計画通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年はテロメア機能不全時に起こるテロメアクロマチンユビキチン化・染色体末端融合に関与するBRCA1複合体因子を中心に機能解析を行い、家族性乳癌におけるゲノム不安定化への寄与について研究を進める予定である。研究成果は速やかに国際学術雑誌、学会等で発表するとともに、インターネット等を通じて社会に向けて広く発信していく予定である。
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Research Products
(5 results)