2019 Fiscal Year Annual Research Report
Abnormalities in alternative splicing in cancer; therapeutic targets
Project/Area Number |
17K08660
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
眞田 文博 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (30722227)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 選択的スプライシングバリアント / ペリオスチン / 治療抵抗性乳がん / 慢性心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性炎症性疾患の病態形成に関与する細胞外マトリックス蛋白であるペリオスチンは、そのC末端に選択的スプライシングバリアントを有する。特に治療抵抗性乳がん、悪性黒色腫、気管支喘息、慢性心不全においてバリアントの変化が知られているがその詳細なメカニズムは明らかになっていない。本年の研究ではペリオスチンC末端に存在する選択的スプライシングバリアントの治療抵抗性乳がんおよび慢性心不全での役割について、昨年より引き続き、ペリオスチンエクソン21スプライシングベクターを用いて検討した。ヒトトリプルネガティブ乳がん細胞株(SUM159PT)にベクターを導入し観察すると、SUM159PT細胞株にはペリオスチンエクソン21を含有・非含有する2つのpopulationが存在することが分かり、これらの細胞群をFACSにてsorting後、解析を行い、以下の結果を得た。1)ペリオスチンエクソン21含有細胞は細胞外マトリックス蛋白ーインテグリンシグナル、FAK蛋白、炎症性サイトカインの発現が非含有細胞に比べて著名に発現亢進している。2)抗がん剤投与によりエクソン21含有細胞では細胞内から細胞外にペリオスチンの放出が生じる。3)SUM159PT細胞のうち、エクソン21含有細胞のみがxenograft modelで生着し、腫瘍を形成する。 我々はこれらの結果を基に、抗ヒトペリオスチン抗体を選別し、抗がん剤(PTX)併用によるペリオスチン抗体の効果を確認した。また、モノクローナル抗体を作成し、ヒトペリオスチンバリアント特異的ELISAシステムを構築中である。今後はペリオスチン中和抗体の臨床応用を目的に、ELISAシステムをコンパニオン診断薬として臨床使用できるように、臨床検体サンプル(リキッドバイオプシー)を用いて臨床所見とバリアントの相関関係を検討する予定である。
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