2018 Fiscal Year Research-status Report
病態特異的ヒストンメチル化制御異常の造血器腫瘍における役割
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17K08679
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
上田 健 近畿大学, 医学部, 講師 (60585149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 昭教 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (60549567)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
以前の研究から8;21染色体転座を有するヒト急性骨髄性白血病細胞株では、その増殖が転座融合遺伝子産物であるRUNX1-RUNX1T1に依存することが知られている。8;21転座急性骨髄性白血病細胞株に対して網羅的遺伝子発現解析を行ったところ、KDM4B遺伝子ノックダウンによりRUNX1-RUNX1T1の標的遺伝子の発現が全般的に抑制されることが明らかとなった。そこで親株及びノックダウン細胞に対して、オープンクロマチン構造解析のひとつであるATAC-seq (Assay for transposase-accessible chromatin sequencing)を行い、KDM4Bによるクロマチン構造への影響を包括的に解析した。その結果、KDM4Bの発現阻害は、RUNX1-RUNX1T1のオープンクロマチン領域へのアクセシビリティの低下に寄与することが強く示唆された。KDM4Bによるエピゲノム調節は、RUNX1-RUNX1T1を介した転写制御に促進的に機能して、細胞増殖に寄与するものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シークエンサーを用いた解析から、KDM4Bの遺伝子発現及びクロマチン構造に与える影響が明らかとなった。おおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
変異体を用いた白血病におけるKDM4Bによるエピゲノム調節機構の解析を行うとともに、遺伝子欠損マウスの長期観察によるKDM4Bの正常造血への役割を明らかにすることを計画している。
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Causes of Carryover |
経費で購入予定としていた消耗品が当初の見積額より安価で購入できたことから、差額が生じ次年度使用額が発生した。
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Research Products
(4 results)