2018 Fiscal Year Research-status Report
子宮癌肉腫の癌幹細胞化の誘導・維持機構における癌肉腫・間質相互作用のダイナミズム
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17K08703
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
三枝 信 北里大学, 医学部, 教授 (00265711)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子宮癌肉所 / S100A4 / Myosin |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮癌肉腫の癌幹細胞化の誘導・維持にS100A4が関与する可能性を得た。S100A4は20種類以上存在するS100ファミリーに属するカルシュウム依存性結合タンパクで、子宮癌肉腫では癌細胞と肉腫細胞の両方に発現し、特に両者の移行部にその発現が著明であった。そこで、子宮内膜癌細胞でS100A4過剰発現系とノックダウン系を作製した。過剰発現系では、細胞増殖能は抑制され、EMT(上皮間葉転換)マーカーや癌幹細胞マーカーの発現増加が認められた。さらに、Aldefluor法で癌幹細胞分画の増加やフェアー形成能の増加を認めた。一方、そのノックダウン系では過剰発現系と反対の結果を得た。これらの結果から、S100A4はEMT/癌幹細胞化機構を介して癌細胞から肉腫細胞の派生に寄与する可能性をえた。次の段階として、S100A4過剰発現する子宮内膜癌細胞から抽出したタンパクでカルシュウム存在下にS100A4で免疫沈降し、沈降したタンパク質をshotgun proteomics法でタンパク質の同定を行った。その結果、S100A4はmyosin 9, myosin 14と選択的に会合する所見を得た。次年度は、S100A4とmyosin9,14との関連性を検索する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析分子として多少は当初の予定とは違う方向に進んだが、S100A4が子宮癌肉腫発生のキーマーカーであり、Myosinとの会合を介して子宮癌肉肉腫の発生原因である可能性を得た。次年度でその分子メカニズムを詳細に解析し、その分子メカニズムを解明する。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、子宮癌肉腫の臨床検体や子宮内膜癌細胞におけるmyosin 9, 14の発現の検索sとその機能解析を行う。次に、S100A4とmyosin 9,14の機能相互関係をEMT/癌幹細胞化機構との関連性の観点から解析する。最終的に、子宮癌肉腫の肉腫派生シグナルとしてのS100A4/Myosin 系の果たす役割の解明をゴールとする。
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Causes of Carryover |
実験が順調に進み、余計な支出を抑えることが出来たため。
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