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2017 Fiscal Year Research-status Report

乳癌特異的ストレスシグナルとしてのDJ-1の構造解析

Research Project

Project/Area Number 17K08708
Research InstitutionSasaki Foundation

Principal Investigator

岩屋 啓一  公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 研究員(移行) (50312012)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 河手 敬彦  東京医科大学, 医学部, その他 (30532303)
田辺 真彦  公益財団法人がん研究会, がんエピゲノムプロジェクト, 研究生 (30572333)
河野 勤  公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 研究員(移行) (80506064)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords酸化ストレス / 質量分析 / 乳癌 / 婦人科癌
Outline of Annual Research Achievements

DJ-1が癌化を促進するのか、あるいは抑制性に作用するのか決着はついていない。その理由のひとつはDJ-1が有する多機能性によるのかもしれない。大多数の癌組織では、DJ-1は非癌組織に比べて高発現する。単純な発現量の比較に加えて、DJ-1が癌遺伝子として発見された事実を加味すれば、癌化を促進する仮説が考えやすい。
本年度は、乳癌以外の主要なヒト癌組織(肺癌、膵癌、膀胱癌、婦人科癌)におけるDJ-1の発現様式を免疫染色およびin situ hybridizationを用いて検討し、論文のreviewを加えて、その臨床病理学的な意義を明らかにした。
主要なヒト癌組織では、正常組織に比べてDJ-1 mRNAの発現が亢進している。タンパク質レベルでは、発現の強度や局在は様々だが、癌のprogression、悪性度(予後)、分化度、組織形態、そして薬剤感受性を規定している。この様に、DJ-1は細胞内で癌である状態に深く関与する。
DJ-1蛋白質は予後を規定する因子であるが、その発現様式は多彩である。これに対して、薬剤感受性については、DJ-1蛋白質の発現低下が認められる症例において、感受性が高い。この現象は、各種癌に対して作用機序の異なる化学療法のほとんどを包括して当てはまる。これは、DJ-1が複数のアポトーシスを誘導する経路に関与しているからかもしれない。
興味深いことに、癌細胞内で重要な働きを担うDJ-1は、分泌蛋白質として細胞外に放出される。その意義は不明であるが、DJ-1は、血液、分泌液、腹水内において癌の存在を予測するマーカーの有力な候補である。非癌細胞もまた、種々のストレス応答に際してDJ-1を分泌する。従って、癌細胞が分泌するDJ-1と非癌細胞の分泌型DJ-1が区別されれば、新たな腫瘍マーカーになる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

佐々木研究所附属杏雲堂病院は平成29年度に病院の基本方針に大きな変更があり、研究体制および臨床研究環境が大きく変化した。平成29年度は新たな倫理委員会の設立、新たな臨床研究体制、そしてサンプルセンターの正常稼働のために費やす予期せぬエフォートがあった。これらのエフォートは、本研究を実行するにあたって必須の基盤整備であった。この様な臨床研究の基盤整備作業はなお難航しているが、研究代表として研究の継続の可能性について模索している。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度の研究成果から、他臓器の癌においても乳癌と同様の変化が起こっている可能性が示唆された。そこで、乳癌に加えて他臓器の癌細胞株や患者血液についても検討する。
Ⅰ:乳癌、子宮癌(頸部、および体部)、膵癌、肺癌、あるいは肝細胞癌株より生成した分泌DJ-1蛋白質を材料に、特異的なpI:6.3のisoform の構造決定を行う。
Ⅱ:癌患者血清を材料に新規抗体を用いたELISAを行う。その準備として、癌患者血清と腫瘍組織を保存・管理する。杏雲堂病院ではサンプルセンターを整備し、安全性と倫理性を兼ね備えた-80℃のフリーザーを整備している。癌特異的isoformを認識する抗体作成作業を推進すると同時に、並行して保存・管理作業を行う。

Causes of Carryover

血液サンプリングに必要なスペースの整備を行ったため。旅費に充てた使用計画を縮小して経費節減に努める。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Book (1 results)

  • [Book] DJ-1/PARK7 Protein; Expression of DJ-1 in Cancer Cells2017

    • Author(s)
      Kawate T, Tsuchiya B, Iwaya K
    • Total Pages
      15
    • Publisher
      Springer
    • ISBN
      978-981-10-6582-8

URL: 

Published: 2018-12-17  

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