2018 Fiscal Year Research-status Report
乳癌特異的ストレスシグナルとしてのDJ-1の構造解析
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17K08708
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Research Institution | Sasaki Foundation |
Principal Investigator |
岩屋 啓一 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 研究員(移行) (50312012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河手 敬彦 東京医科大学, 医学部, 助教 (30532303)
田辺 真彦 東京大学, 医学部, 講師 (30572333)
河野 勤 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 研究員(移行) (80506064)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 質量分析 / 乳癌 / 婦人科癌 / 品質管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
DJ-1蛋白質の発現様式あるいはmRNAの発現量について検討中である。その際に、臨床検体の高い質を確保することが重要である。臨床検体の高品質かつ均一性の確保は、正確な現象の把握と研究の再現性に繋がる重要な過程である。臨床検体に供するバイオマテリアルの質の確保について病院内全体のシステムとして検討し、高品質で均一な検体を通常の病理組織検体において収集する体制を構築し、実際に高品質なバイオマテリアルが蓄積中である。蓄積された全ての検体では、インフォームドコンセントが得られ、患者さんは積極的に臨床研究に参加する意志を示し、場合によっては臨床研究を推進する一員として患者さんが企画の段階から関与する。高品質で均一な検体の確保は、本年度から全国規模で開始されたがんゲノム医療にも必須であり、本研究の歩みと協調した。この際に標本の質の要素のひとつであるコンタミネーションの問題を乗り越える必要性が生じた。この問題に正面から取り組むために、細胞を通さない梱包素材の開発を行った。そして開発した梱包素材を用いてポケットをデザインして組織を包み込む試みを進め、病理標本作製過程においてほとんど完全に他組織の混入を防ぐことを確認した。梱包素材は実際の日常業務で使用されており、その実用性が確認された。梱包素材の開発には国内および国際標準基準に従って、新しい基準を策定した。そして梱包素材の特性を最大限に生かすデザインを考案してポケットを作成し、特許申請に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究を強力に推進する日本全体の動きに本研究も協働し、臨床研究のための基盤整備作業が進んだ。この整備を進めることによって進捗状況には遅れがみられるが、より信頼性の高いDJ-1臨床研究に繋がることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度における臨床研究のための基盤整備作業をさらに推し進めると同時に、高品質のバイオマテリアルを用いたDJ-1蛋白質のisoform patternを検出する実験を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は前年度の成果を国内および国際学会あるいは雑誌発表を行う。
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