2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K08711
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
関根 茂樹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (10321879)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | WNT / 大腸癌 / 鋸歯状病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの我々の解析から、WNT経路の活性化に関わる遺伝子変異としてAPC, CTNNB1に加えてRNF43, RSPO融合遺伝子の重要性と、これらの新たな遺伝子変異が鋸歯状病変において特徴的であることを示してきた。現在、これらの所見をより詳細に検討する目的で、主に大腸非浸潤性病変におけるWNTシグナル経路に関連する遺伝子を中心とした変異解析を進めている。これらの遺伝子は比較的大きく、我々が検索の試料とするホルマリン固定パラフィン包埋標本においては、しばしば検索が困難である。これまでも次世代シークエンサーを利用することで解析の効率化を図ってきたが、より再現性の高い変異検出を可能とするために、複数の新しい解析方法を検討した。また、RSPO融合遺伝子の検出のための新しい方法の検討を行った。 鋸歯状病変における検討では古典的鋸歯状腺腫(traditional serrated adenoma, TSA)における検索を進めている。以前に70例のTSAを対象として遺伝子変異検索を行い報告したが(Sekine S, J Pathol. 2016)、その分子病理学的な多様性のために臨床病理学的な検討を行うためには、より多数例を対象とした検討が必要と考えられた。このため、現在、さらに約60例を加えた検討を進めている。この検討により、TSAを介した大腸発癌の臨床病理学的な特徴と分子病理学的な特性の相関を明らかにしたい。 また、鋸歯状病変以外の大腸腫瘍においても、同様の検索を行い、WNT経路の発癌における役割の再検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たな変異検索方法の導入を終え、予定の検体解析を進めている。また、検体蒐集についても予定通り進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り予定にしたがって、解析方法の検討を終えており、実際の試料解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
主に解析の条件検討を中心として行ったため、予想より消耗品使用額が少なかった。30年度より解析を行うため、予定の消耗品の使用などの繰越が必要となった。
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