2019 Fiscal Year Annual Research Report
WNT pathway-related genetic alterations in colorectal tumors
Project/Area Number |
17K08711
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
関根 茂樹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (10321879)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | WNT / 鋸歯状病変 / 大腸ポリープ |
Outline of Annual Research Achievements |
鋸歯状腺腫(traditional serrated adenoma, TSA)129例を対象として組織学的解析、遺伝子変異解析などを行い、臨床病理学的特徴と分子異常の相関を解析した。MAPK経路の活性化に関わる変異は97%、WNT経路の活性化に関わる変異は84%の病変に認められ、これらの2つの経路の活性化がTSAの発生に重要な役割を果たしていることが示唆された。また、KRAS変異はRSPO融合、BRAF変異はRNF43変異との共存が有意に認められ、MAPK, WNT経路に関わる遺伝子変異の間に関連があることが示された。さらに、TSAに特徴的なSlit-like serrationはBRAF, RNF43変異、Ectopic cryptはRSPO融合、GNAS変異と有意に相関し、TSAの形態的な多様性は分子異常の多様性を反映しているものと考えられた(Sekine et al. J Gastroenterol. 2020)。 家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis, FAP)における大腸腫瘍は腺腫から腺癌への進展が主体であるが、鋸歯状病変の存在も過去に報告されている。本研究ではFAPに発生したTSA37病変の解析を行い、散発例と共通する特徴として高頻度のBRAF, KRAS変異の存在を示すとともに、APCに生殖系列細胞変異に加えて体細胞変異が加わっていることを示した。また、FAPに伴うTSAの分子病理学的な特徴として、メチル化異常が少ないことを示した(Okamura et al. Am J Surg Pathol. 2020)。
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Research Products
(2 results)