2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating metastasis mechanisms and prognostic factors in neuroendocrine tumors
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17K08713
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Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
大久保 陽一郎 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 医長 (40516267)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 神経内分泌腫瘍 / 神経内分泌癌 / paraganglioma / neuroendocrine tumor / neuroendocrine neoplasm |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは膵・消化管神経内分泌腫瘍の新たな予後予測因子の確立、浸潤・転移機構の解明および新規治療法の基盤形成を目的とし、2018年度はGangliocytic paraganglioma (GP)を主体とした解析を行った。 GPは上皮様細胞、神経節細胞様細胞、紡錘形細胞の3成分で構成される予後良好と目される腫瘍であるが、症例によりそれぞれの成分割合が異なる上に、従来考えられていたよりも高頻度に発生するため、しばしばneuroendocrine tumor (NET) G1と誤診される。しかしながらNET G1よりも明らかに予後良好であるGPを正しく診断し、その情報を提供することは研究者の社会的使命のひとつである。 そこで研究代表者らは、世界に先駆けてGPに対するSystematic Reviewを実施し、従来の解析では不可能であったGPに対する生物学的特徴の解明及び標準的診断・治療法の基盤形成に取り組んだ。 その結果、GPは大部分が十二指腸原発 (89.7%)であり、発症平均年齢53.5歳、男女比3:2、平均腫瘍径25.7mm、リンパ節転移率11.4%、肝転移率1.1%と判明した。さらに、多変量解析によりリンパ節転移の危険因子が実質的に深達度のみであることも見いだした。 よって最小限の侵襲的治療を目指すには、術前生検による確診、画像検査でのリンパ節転移の否定及び深達度判定が必須である。これまでに得られた成果は神経内分泌腫瘍における浸潤・転移機構の解明のみならず、診断法の均てん化に貢献するものであり、低侵襲治療の促進基盤にもなる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2018年度は世界に先駆けてGangliocytic paraganglioma (GP)に対するSystematic Reviewを実施し、従来の解析では不可能であったGPに対する生物学的特徴の解明及び標準的診断・治療法の基盤形成に取り組んだ。その結果、その結果、GPの生物学的特徴やリンパ節転移の独立した危険因子を見いだすことに成功し、国際査読雑誌に報告することができた。 昨年度も後腸由来neuroendocrine tumor (NET)に対する、血管新生と転移・浸潤経路や腫瘍発育の関連性を国際査読雑誌に報告することができ、現在膵原発NETの解析も進行中である。 総合的に予定計画年数の半分が経過した時点の達成度としては当初の計画以上に順調であることから、上記達成度とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は後腸由来neuroendocrine tumor (NET) 56症例に対する病理組織学的解析を行うことで、後腸NETにおける浸潤・転移機構や予後予測因子の一端を明らかにすることができ、2018年度はGangliocytic paraganglioma (GP)に対するSystematic Reviewを実施し、従来の解析では不可能であったGPに対する生物学的特徴の解明及び標準的診断・治療法の基盤形成に取り組んだ。 今後は膵原発NETを主体としながらも他臓器症例も含め解析を進めることで、神経内分泌腫瘍における浸潤・転移機構の解明や予後予測因子の確立を目指すと同時に、新規治療法確立への基礎的な知見を得たい。
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Causes of Carryover |
2018年度はGangliocytic paraganglioma (GP)に対するSystematic Reviewを実施し、従来の解析では不可能であったGPに対する生物学的特徴の解明及び標準的診断・治療法の基盤形成に取り組んだ。 その結果、GPの生物学的特徴やリンパ節転移の独立した危険因子を見いだすことに成功し、国際査読雑誌に報告することができた。 しかしながら、当初の見積もりよりも安価に消耗品を購入することができ、論文も結果的に予定よりも少ない印刷代で出版することが可能であったため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)