2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating metastasis mechanisms and prognostic factors in neuroendocrine tumors
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17K08713
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| Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute |
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Principal Investigator |
大久保 陽一郎 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 病理診断科, 医長 (40516267)
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| Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 神経内分泌腫瘍 / 神経内分泌癌 / neuroendocrine neoplasm / neuroendocrine carcinoma / CoGNET |
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| Outline of Annual Research Achievements |
神経内分泌腫瘍は世界中で増加しているが、その悪性度を完全に評価する指標はまだ確立されていない。特に再発・転移メカニズムに関しては病理形態や分化度を考慮に入れると複雑化し、確実な予測因子については更なる調査が求められる。
2022年度はgangliocytic paragangliomaの研究を進めた。本腫瘍は主に十二指腸から発生する稀な神経内分泌腫瘍であり、その形態学的特徴からparagangliomaと呼ばれてきた。しかし最近の分子病理学的解析により、本腫瘍は真のparagangliomaよりも消化管起源のneuroendocrine tumorの特性を有することが示された。研究代表者らは国際会議（Web会議）でこの議題を討論し、paragangliomaという名前が現在では適切でなく、形態学的特徴も考慮した新しい名称が適切であるとのコンセンサスに達した。結果、composite gangliocytoma/neuroma and neuroendocrine tumor (CoGNET)という名称が採用され、"WHO Classification of Tumours Editorial Board. Endocrine and Neuroendocrine tumours, 5th ed"にCoGNETとして報告した。
さらに、膵臓・消化管由来の神経内分泌癌の症例収集、画像解析、他院標本の再評価などを進めてきた結果、他臓器のMRI画像解析所見と生検標本への影響度が明確になり、high volume centerにおける再評価の有用性を客観的な数値で検出することに成功した。そのため、CoGNETの発表に加えて、これらの知見も副次的な論文として公表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は十二指腸原発を中心とするcomposite gangliocytoma/neuroma and neuroendocrine tumor (CoGNET、旧名称 gangliocytic paraganglioma)の研究に注力した。その結果、GogNETへの名称変更が採用され、更に診断時に有用な免疫染色抗体としてprogesterone receptor, pancreatic polypeptide, cytokeratin, GATA3を提示し、詳細な臨床病理学的所見を整理した。今後は症例の収集や包括的な遺伝学的解析の遂行が課題となるものの、現時点での知見をWHO Classification of Tumours Editorial Board. Endocrine and Neuroendocrine tumours, 5th edで報告することができた。
また、副次的な解析結果からMRI画像解析所見と生検標本への影響度、high volume centerにおける再評価の有用性を明らかにし、これらの成果も論文として公表することが可能であった。これらの研究成果と現在の進捗状況を総合的に評価し、上記とした。
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は神経内分泌腫瘍の再発・転移機構の解明を主軸とし、治療戦略に関しても新たな視点を獲得するための成果の獲得を目指す。これまでに蓄積してきた症例の収集を継続すると同時に、それらを活用した臨床病理学的ならびに包括的な遺伝学的解析を目指す。特に、CoGNETについてはこれまでの解析結果から得られた知見を発展させ、その特異性と多様性に対する解析結果を得ることを目指す。
その他、神経内分泌腫瘍が各種の臓器から発生する特性を考慮しつつ、類縁あるいは関連疾患、さらには鑑別が必要となる疾患との比較も試みる。このアプローチは、新たな解析手法や予測モデルの構築といった進展を可能にするものである。
次年度は最終年度でもあるため、これまでの成果を集大成し、神経内分泌腫瘍の再発・転移機構をより広範かつ詳細な視点から解析し、将来的な診断や治療法の改善につながる有用な知見の獲得も目指す。
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| Causes of Carryover |
2022年度の研究活動は、主に消化管神経内分泌腫瘍とCoGNETに焦点を当てて進行した。その間、所属施設の一部研究費が活用可能であった。また、論文報告に対しても所属機関から一部補助され、これらにより次年度への繰越金額が発生した。
今後については、科学研究費補助金の規範に従いつつ、必要と判断した研究項目に対し、適宜な研究資金の配分と活用を計画する。この運用方針は、研究の進捗状況や突発的な必要性に柔軟に対応し、科学的知見を引き出すものである。
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