2017 Fiscal Year Research-status Report
RNA Sequenceを用いた粘液性肺腺癌の解析
Project/Area Number |
17K08715
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂下 信悟 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40620638)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
通常型肺腺癌と粘液性肺腺癌は形態学的にも、蛋白発現、遺伝子変異も異なった腫瘍というだけでなく、生物学的にも異なった性質を有している。すなわち、粘液性肺腺癌は非常に肺内転移を起こしやすく、予後が悪い。しかし、このように異なった腫瘍にも関わらず、肺腺癌として、同様の治療が行われている。事実、これらの肺腺癌には通常用いられる肺腺癌の治療があまり効果がないことが知られている。その原因の一つとして、粘液性肺腺癌の進行に関わるメカニズムがわかっていないからである。そのため、画一的な治療選択しかないのである。我々はこの研究において、Lasar microdissection法を用いたRNA sequence解析をすることにより、粘液性肺腺癌がどのように進行していくのかについて示すことを目的としている。 現在我々は、20症例について凍結検体を採取した。メタノール固定をしながら溶解させることで、高品質のRNAを保ちながらLaser microdissection法を行う方法を用いて、検体採取を行った。現時点で、予定としていた全症例について、Laser microdissection法による検体採取を終えている。 第一段階として、20症例から、典型的な早期症例(Stage IA期相当)3例、典型的な進行症例(肺内転移を伴うもの)3例、Stageは進んではいないが形態学的に、悪性度が増していると考えられる症例2例を選択した。 現在は、この症例について、既に当院i-laboratoryに検体を送付済みであり、RNA sequenceを依頼しているところである。 今後は返ってきたデータを元に、解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の予定は、検体収集~RNAsequenceとなっていた。検体採取についても、特に問題なく行われ、その後のLasar microdissectionについても、問題なく完了した。予定症例数の20例を確保したが、早期と進行期の差を明らかにするために、典型的な症例をpick upし、合計8例をRNA sequence解析に用いた。現在RNA sequence解析の結果を待っている段階であり、予定通り計画が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、Lasar microdissectionした症例についてRNA sequenceを依頼している所である。今後は、RNAsequenceの結果を解析し、その結果を元に、平成31年度のVaridationにつなげていく予定である。
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Causes of Carryover |
この年度はRNA sequence解析に対する支払があるので、前年度よるも予算設定が元々高めで設定されている。また、RNAのextractionをRNA sequenceの際に同時に行う事としたため、その費用が次年度に繰り越しとなっている。
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Research Products
(4 results)