2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of membrane-type serine protease inhibitor in invasion and metastasis of lung cancer
Project/Area Number |
17K08723
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
田中 弘之 宮崎大学, 医学部, 助教 (90433060)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 肺癌 / HAI-1 / LRP11 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌における浸潤・転移機構と肝細胞増殖因子(HGF)系およびその制御の要であるHGF activator inhibitor type-1 (HAI-1)およびHAI-1類似蛋白であるLow density lipoprotein receptor-related protein 11 (LRP11)がどのように関わっているかを明らかにすることは、肺癌の分子学的病態の一側面を解明することにつながり、また新規分子標的治療薬の標的にもなりうる可能性がある。 ノーザンブロットを用いた予備実験では、ヒト正常臓器において脳・前立腺および精巣にLRP11の遺伝子発現がみられ、肺ではその遺伝子発現が軽度認められた。COS細胞にヒトLRP11を過剰発現させたCOS-hLRP11細胞を作成し、RT-PCR法で、LRP11の遺伝子発現を確認した。その後LRP11遺伝子発現を確認したCOS-hLRP11細胞株から蛋白抽出(Cellytic溶液を用いて蛋白抽出)を行い、western blotでLRP11の蛋白発現を市販のポリクローナル抗体を用いて確認した。肺腺癌におけるLRP11の遺伝子発現の検討では、症例数が少なかった影響もあると思われるが、臨床病理学的事項で統計学的有意差は得られなかった。また無病生存期間や全生存期間に統計学的有意差はみられなかった。肺腺癌におけるpT1症例での検討でも、無病生存期間や全生存期間に統計学的有意差はみられなかった。ヒト肺癌組織を用いたLRP11の免疫染色では、腺癌、扁平上皮癌、小細胞癌において、癌細胞膜および細胞質に陽性像が得られた。 肺癌組織を用いた免疫染色では、HAI-1は腺癌・扁平上皮癌の腫瘍細胞で細胞膜・細胞質に陽性像を示した。症例によっては細胞膜に強陽性を示す場合があり、その腫瘍面積と臨床病期・予後との相関について現在解析中である。
|