2017 Fiscal Year Research-status Report
特発性間質性肺炎に合併する肺腺癌の病理学的特性と組織発生
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17K08724
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
奥寺 康司 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10326027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 洋平 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 総括部長 (00254194)
横瀬 智之 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (10221665)
荒井 宏雅 横浜市立大学, 医学研究科, 客員講師 (10381493)
立石 陽子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20644438)
梅田 茂明 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30644439)
大橋 健一 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (40231203)
石川 善啓 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (40384838)
禹 哲漢 横浜市立大学, 医学研究科, 客員講師 (90537177)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
間質性肺炎に合併した肺腺癌(および肺腺癌の背景に広がる気管支上皮化生)に対象に、1)次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子変異検索、2)マイクロアレイを用いたmRNA/miRNAの網羅的発現解析を行い、間質性肺炎に合併した肺腺癌の分子病理学的特性を明らかにする。一方、腺癌病変と化生病変それぞれの遺伝子変異プロファイル、mRNA/miRNA発現プロファイルの比較検討から、「気管支上皮化生から腺癌に至る発生経路」を検証する。 当年度は:1)次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子変異検索① 解析対象の選抜:間質性肺炎に合併する肺腺癌のうち典型的と考えられる病変を選抜する。過去の報告および申請らのこれまでの研究成果に基づいて次の3つの条件を満たすものを典型病変と定義した。すなわち、ア)蜂巣肺において気管支上皮化生と連続して発生した、イ)気管支表面上皮型細胞亜型の腺癌で、ウ)既知のドライバー遺伝子(EGFR、ALK、RET、ROS1、KRAS、BRAF)のいずれにも変異のないものとし、10病変を選抜すした。② マイクロダイセクション法による細胞分離:上記①で選抜した10病変からマイクロダイセクション法で、がん細胞、気管支上皮化生細胞、健常部の気管支上皮細胞を選別して採取する。それぞれからDNA・RNAを抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肺癌材料の固定条件などの影響で長鎖PCR反応が難しかった。条件検討に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の項目を完遂する。③ 次世代シーケンサーによる全エクソン変異検索:10病変のがん細胞部分を解析対象とする(全10解析)。④ データ解析:今回の解析データと複数のウェブサイト(The Cancer Genome Atlas他)で公開されているデータベースを比較しながら有意と考えられる遺伝子変異を抽出する。⑤ 遺伝子変異の検証:網羅的変異検索に用いた10病変を対象に、④で抽出した遺伝子変異について、ダイレクトシーケンス法(塩基置換レベルの変異の場合)やFISH法(転座による融合遺伝子変異の場合)で解析し、網羅的変異検索の結果を検証する。⑥ 解析対象の拡張:間質性肺炎に合併した肺腺癌(全100例)と通常の腺癌(全100例)を対象に、⑤で検証された遺伝子変異について、ダイレクトシーケンス法(塩基置換レベルの変異の場合)やFISH法(転座による融合遺伝子変異の場合)で解析し、真に間質性肺炎に合併した肺腺癌に特異的(あるいは特徴的)な遺伝子変異であるかどうかを検証する。⑦ 発がん経路の検証:間質性肺炎に合併した肺腺癌50例を対象に、がん細胞部分と化生細胞部分のそれぞれにおいて、④で選抜した遺伝子変異を解析する。がん細胞と化生細胞における遺伝子変異プロファイルを比較検討し、「気管支上皮化生が間質性肺炎に合併する腺癌の前癌状態である可能性」を検証する。
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Causes of Carryover |
前述の如く、組織検体を用いた研究の条件検討に時間がかかり、計画が遅延した。 30年度には以下の項目を完遂する。① 次世代シーケンサーによる全エクソン変異検索:10病変のがん細胞部分を解析対象とする(全10解析)。② データ解析:今回の解析データと複数のウェブサイト(The Cancer Genome Atlas他)で公開されているデータベースを比較しながら有意と考えられる遺伝子変異を抽出する。③ 遺伝子変異の検証:網羅的変異検索に用いた10病変を対象に、④で抽出した遺伝子変異について、ダイレクトシーケンス法(塩基置換レベルの変異の場合)やFISH法(転座による融合遺伝子変異の場合)で解析し、網羅的変異検索の結果を検証する。
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