2018 Fiscal Year Research-status Report
Regulation of Hodgkin lymphoma cell differentiation by reactive oxygen species
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17K08728
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
堀江 良一 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80229228)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ホジキンリンパ腫 / 活性酸素種 / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの結果からホジキンリンパ腫(HL)細胞の分化誘導に活性酸素種(ROS)が関与していること、HLとは関係のないT、B細胞ではROSによる分化を認めず細胞死を誘発したことから、ROSによる分化はHL細胞の特徴の一つであることが示唆された。一方、未分化なHL細胞分画(SP)ではHIF-1やヘムオキシゲナーゼ(HO-1)により、ROS活性の抑制を通して未分化の維持がなされていると考えられた。ROSの産生源としてはミトコンドリアが考えられ、好気的呼吸に関わるTCAサイクル活性の上昇が分化したHL細胞分画(MP)でのROS亢進を反映していると考えられた。 Gene Set Enrichment Analysis (GSEA)をHL細胞株KMH2、L428に対して行った。すなわち、SPとMPでの遺伝子発現についてパスウエイ解析を行い、差のある遺伝子群の抽出を行なった。SPではMPに比較して低酸素に関連した遺伝子群の発現亢進を認めた。さらにGSEAではSPにおいてHIF-1により制御される遺伝子群の誘導を認めた。実際、HL細胞株を塩化コバルトで低酸素状態を模倣した状態にすると、HIF-1の誘導を認め、過酸化水素添加によるHL細胞の分化誘導が阻害された。一方、HLの臨床検体を用いた検討で、HIF-1は大型のホジキン(H)細胞や、リードシュテルンべルグ(RS)細胞では発現が弱いことが示された。 これらの結果はHL細胞の未分化な分画では低酸素状態の模倣によりHIF-1が誘導されており、ROSによる分化を抑制していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定をほぼ達成して成果が得られ、次年度の計画も予定通り立てられているため。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度、HIF-1とヘムオキシゲナーゼ(HO-1)が未分化なホジキンリンパ腫(HL)細胞分画(SP)においてより高い活性を示し、活性酸素種(ROS)による細胞分化を抑制していることを明らかにした。本年度はSPにおいてHIF-1の発現など低酸素状態を状態が模倣されていることを示唆した。これらの結果を踏まえ、次年度はHIF-1によるHO-1の制御と、ROSによるHL細胞分化への関与について検討を行う。 次年度は、塩化コバルトで低酸素状態を模倣してHIF-1やHO-1の誘導を検討する。さらに、この条件でHIF-1を阻害してHO-1の誘導の変化を検討する。HL細胞株は過酸化水素で分化を示すが、塩化コバルトで低酸素状態を誘導した状態での分化抑制とHIF-1やHO-1の関与について検討する。 以上をもとにして、HL細胞の分化における活性酸素、ミトコンドリア、低酸素模倣に関わるシグナル、HIF-1、HO-1の相互関係の検討を行い、HL細胞のROSによる分化機構を明らかにする。
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Causes of Carryover |
実験は概ね順調に進んでいるが、一部の実験が遅延しているため残額が生じた。その実験のために使用する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Role of exosomes as a proinflammatory mediator in the development of EBV-associated lymphoma.2018
Author(s)
Higuchi H, Yamakawa N, Imadome KI, Yahata T, Kotaki R, Ogata J, Kakizaki M, Fujita K, Lu J, Yokoyama K, Okuyama K, Sato A, Takamatsu M, Kurosaki N, Alba SM, Azhim A, Horie R, Watanabe T, Kitamura T, Ando K, Kashiwagi T, Matsui T, Okamoto A, Handa H, Kuroda M, Nakamura N, Kotani A.
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Journal Title
Blood
Volume: 131
Pages: 2552-2567
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Relationship between response to lusutrombopag and splenic volume.2018
Author(s)
Uojima H, Arase Y, Itokawa N, Atsukawa M, Satoh T, Miyazaki K, Hidaka H, Sung JH, Kako M, Tsuruya K, Kagawa T, Iwakiri K, Horie R, Koizumi W.
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Journal Title
World J Gastroenterol.
Volume: 24
Pages: 5271-5279
DOI
Peer Reviewed
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