2018 Fiscal Year Research-status Report
Detection of specific markes for accutete mesothelioma diagnosis based on comprehensive genome expression analysis
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17K08742
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
武島 幸男 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (70236462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AMATYA VISHWA・J 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 講師 (90403625)
櫛谷 桂 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (00508179)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中皮腫 / 遺伝子発現解析 / マイクロアレー / 免疫組織化学的染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
中皮腫は体腔表面中皮細胞に由来する悪性腫瘍であるが、胸膜、腹膜、精巣鞘膜、心膜に発生する。最も多く発生する胸膜中皮腫については、その部位の特異性から、肺がんの胸膜進展、他のがんの転移、腹腔内のがんの胸膜進展等、多くの疾患を鑑別する必要がある。しかし、鑑別が容易でない例が少なからず存在する。実際我々は、日本の中皮腫症例を再検討した結果、約15%の例で診断が適切でなかったことを明らかにしてきた。 既に、我々は上皮型中皮腫と肺非小細胞癌のパラフィン包埋材料からmRNAを抽出し、DNAマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現検索を行うことによって、426の蛋白をコードするmRNAで両者で有意な発現の差があることを見いだした。このうち中皮腫ではDAB1, intelectin-1, Glypican-1が、肺腺癌ではMUC4において免疫組織化学的に有意に高い発現率を示すことを明らかにしている。 本年度は、上皮型中皮腫により高いmRNAの発現を示していたPRG4と、肺腺癌に高いmRNAの発現を示していたMUC21に注目して免疫組織化学的染色を行った。その結果、PRG4は中皮腫で97%、肺腺癌では17%、MUC21は上皮型中皮腫では3%、肺腺癌では96%の症例で陽性率を示した。これらのことから、PRG4とMUC4は上皮型中皮腫と肺腺癌の鑑別診断に有用な新規マーカである可能性があることが示唆され、昨年度明らかにした新規マーカーと組み合わせて染色することでより精度の高い診断に応用できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中皮腫と肺癌の鑑別診断に有用な免疫組織化学的染色に応用可能なマーカーを2つ明らかにし、論文化できた。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的遺伝子発現解析により明らかになった中皮腫と肺腺癌で異なる発現を示す他の遺伝子について、さらに免疫組織化学的染色を行う。また、鑑別対象を肺扁平上皮癌、卵巣がん、胸膜炎などにも広げて研究の進捗をはかる予定である。
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