2017 Fiscal Year Research-status Report
エストロジェン受容体発現量による予後・治療効果予測法の開発
Project/Area Number |
17K08749
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
長谷川 功紀 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (50525798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 公英 熊本大学, 医学部附属病院, その他 (20448525)
伊藤 隆明 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70168392)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エストロゲン受容体 / Western ligand blot / 染色剤 / リガンド誘導体染色法 / 乳がん / 肺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の開発したWestern ligand blot(WLB)法によりリガンドを用いてエストロジェン受容体(ER)の発現量を再現性良く、安価に解析する方法を開発し、予後予測および治療効果予測診断法へ応用することを目的に研究を行った。本年は検出のためのリガンド薬剤合成を行い、その検出能の評価を行った。ERのリガンドとしてはエストラジオール誘導体を選び、出発原料としてエチニルエストラジオールを用いた。クリック反応により、ポリエチレングリコール(PEG)をリンカーとして導入し、その後にタグとなるFITC修飾を行い、目的とする検出薬剤の合成に成功した。ERとの結合性を評価する目的で、ER発現細胞となるMCF7を用い、共焦点顕微鏡により観察を行った結果、MCF7細胞への薬剤集積を認めた。このことからタグ標識したエストラジオール誘導体が結合親和性を失っていないことが判った。次に、MCF7細胞から細胞溶解液を調製し、SDS-PAGEに供し、PVDF膜に転写後、その膜上のERを検出できるかを確認した。その結果、エストラジオール誘導体を用いてERの検出に成功した。以上のことから、エストラジオール誘導体を用いてWLBによりERが検出できることを明らかにした。しかし、ERを検出するためにはエストラジオール誘導体をμM程度の高濃度で反応させる必要があり、その結合親和性が低いことが判った。そこで現在、エストラジオール誘導体のタグ修飾位置を検討し、結合親和性の高い誘導体合成を進めている。同時に結合親和性を定量評価するためのELISAを立ち上げている。次年度はELISAを用いて結合親和性の高い誘導体を見出し、WLB法およびリガンド誘導体染色法により乳がんおよぼ肺がんの病理検体の染色を粉う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的は検出薬剤の合成である。その点において、開発したエストラジオール誘導体によりWestern ligand blot法でエストロジェン受容体検出に成功したことから、当初目的は達成できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度開発した検出薬剤によりWestern ligand blot法でエストロジェン受容体検出に成功した。しかし、その際の反応濃度としてμM程度の高濃度が必要であることが判った。次年度はリガンド誘導体染色法で病理切片中のエストロジェン受容体検出を行う予定である。その際にはさらに結合親和性の高い検出薬剤の方が感度良く検出できると予想される。そのためには今後、高い結合親和性を有する誘導体の開発が必要と考えられる。また結合親和性を定性的に評価する系の構築も必要である。そこで今後の推進方策としてはELISAの構築と、高い結合親和性を有する薬剤を見出すことした。
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Causes of Carryover |
本年度にwestern blot検出システムを購入する予定であった。しかし実験を進めた結果、次年度にELISAを立ち上げる必要性が生じ、そのためにマイクロプレートリーダーが必要になった。western blot検出システムに関しては、学内の共同利用施設により借りることが可能なので、次年度にマイクロプレートリーダーを購入することにし、そのために物品費を繰り越した。
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[Presentation] アポE糖鎖結合ドメインに基づく両親媒性膜透過ペプチドの設計2017
Author(s)
灘井亮, 田村悠樹, 錦織花梨, 岡田圭祐, 扇田隆司, 原矢佑樹, 西辻和親, 内村健治, 加藤くみ子, 長谷川功紀, 赤路健一, 坂下直実, 斎藤博幸
Organizer
膜シンポジウム
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