2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method to predict prognosis and treatment effect based on estrogen receptor expression level
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17K08749
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
長谷川 功紀 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (50525798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 公英 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20448525)
伊藤 隆明 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70168392)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エストロゲン受容体 / western ligand blot / 染色剤 / リガンド誘導体染色 / 乳がん / 肺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者の開発したwestern ligand blot(WLB)法およびリガンド誘導体染色法を用いて予後予測および治療効果予測診断法の基盤研究を行った。昨年度、エストロゲン受容体に強い親和性を有するタモキシフェン誘導体の合成に成功した。親和性を分析した結果、Kd値は11nMであった。それを染色剤として、リガンド誘導体染色法により乳がん切片、および肺がん切片を染色した。乳がんの組織型は、充実性乳管癌、乳頭腺管癌、硬癌を3症例ずつ、合わせて9症例を染色した。その結果、腫瘍部位を染色できることを明らかにできた。また肺がんの組織型としては、肺腺癌、肺扁平上皮癌をそれぞれ15症例ずつ、合わせて30症例を染色した。その結果、肺扁平上皮癌では13/15例(陽性率:87%)、肺腺癌では10/15例(陽性率:67%)でGPER陽性であることが判った。以上の結果、抗体の代わりにタモキシフェン誘導体を用い、病理組織切片上のエストロゲン受容体検出法を開発することができた。また本法を利用し、肺扁平上皮癌および肺腺癌のエストロゲン受容体陽性率を評価し、高率でエストロゲン受容体が発現することが判った。本法を利用すれば、タモキシフェンが効果を発揮する癌の同定が可能となる。今後は、予後の明らかな病理切片を用いることで、発現と予後の相関を明らかにし、予後予測法の開発に取り組む。また受容体の発現を簡便に確認できるので、リガンド薬剤が有効な患者選択も可能となる手法を開発することができた。
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