2018 Fiscal Year Research-status Report
The additional mutation analysis of breast cancer recurrence or metastasis
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17K08750
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
鹿股 直樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (60263373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 俊章 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任研究員 (70754480)
山下 哲正 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00584939) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | NGS / 乳癌 / 転移 / 付加的遺伝子変異 / CNV |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍部および非腫瘍部のホルマリン固定パラフィン包埋検体からDNAを抽出,QIAseq Human Breast Cancer Panel (DHS-001Z, QIAGEN)にてライブラリィを作成,NGSはMiSeq (Illumina)を使用した。 2010年~2017年までの間に,川崎医科大学で乳癌の再発・転移と診断された病理組織検体(細胞診のみの症例は除く)は107症例であった。このうち、原発巣と再発・転移巣の両方のパラフィンブロック検体が利用可能であり,かつ十分な腫瘍細胞数(≧20%)があると判断されたものは35例であった。85サンプル中43サンプルが,QCスコア0.04以下であり良好なDNAが得られた。古い症例ではDNA断片化が強い傾向であった(P<0.001)。正常組織,原発巣と少なくとも1病変以上の再発・転移巣が同時に解析できたのは,11症例(36サンプル)であった。このうち5例(45.4%)では,原発巣では認識できなかった遺伝子変異を再発・転移巣で認めた。新たに検出した変異はATR, BLM, CBFB, EP200, ERBB2, MUC16, PBRM1, PIK3CA, TP53であった。また,CNV変化は多岐にわたったが,局所再発よりも遠隔転移で有意にCNV変化数が多かった(P=0.020)。なお、ERBB2 p.S310Fは遺伝子増幅を伴わない活性型変異とされている。CNV変化としてはCCND1やEGFR増幅が新たに生じた症例があった。【考察】再発・転移巣で新たに検出される遺伝子変化は決して少なくないことが明らかとなった。また,HER2免疫染色陰性であるが,neratinib感受性と思われるERBB2変異や,CDK阻害薬,EGFR阻害薬が有効と推定される症例を拾い上げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パラフィンブロックから抽出したDNAは、常にシークエンス解析可能ではないことは事前に予想していたが、個々の症例のホルマリン固定条件などの問題などよりも、年数の問題が重要らしいことが分かった。このため、いわゆる晩期再発症例の検討が、現状のシステムでは難しいことが判明し、また事前に予想していたよりも、使用可能な症例数が少なくなってしまったことは残念である。 一方で、13の再発・転移病変(10症例)では良好な解析が施行できた。症例数は少ないながら既に興味深い結果が得られており、概ね順調な進展と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに症例数を増やすのは、川崎医大症例のみでは困難と思われるが、連携研究者などと壮大をし、可能性を探りたい。 また、既に外部機関に、バイオインフォマティクス解析を依頼した症例もあるが、今後もソフトウェアレベルでの解析はすすめていきたい。
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Research Products
(1 results)