2017 Fiscal Year Annual Research Report
β2-ミクログロブリンアミロイド線維による細胞傷害機構、及び細胞刺激作用の解析
Project/Area Number |
17K08759
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大越 忠和 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90362037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内木 宏延 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10227704)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アミロイドーシス / 細胞傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、試験管内で形成したアミロイド線維と培養細胞を用い、透析アミロイドーシスにおいてβ2-ミクログロブリン(β2-m)アミロイド線維の沈着が破壊性脊椎関節症や骨嚢胞などの骨・関節破壊を引き起こすメカニズムを明らかにし、透析アミロイドーシスの予防、治療法開発の端緒を開くことを目的とした。具体的には、①β2-mアミロイド線維による滑膜細胞死の分子機構の解明、②β2-mアミロイド線維の滑膜細胞に対する刺激・活性化作用の解析、③β2-mアミロイド線維の軟骨細胞に対する細胞毒性の解析、の3点を目的とした。本研究で得られる新知見は、他のアミロイド沈着における臓器障害機序の解明にも応用でき、その学術的波及効果は大きく、難病であるヒトアミロイドーシスの病態解明、予防・治療法の開発に貢献できると考えられた。 平成29年度の研究計画①として挙げた、β2-mアミロイド線維による滑膜細胞死の分子機構の解析にあたり、まずウサギ由来滑膜細胞(HIG-82)を用いた実験系において、アミロイド線維がエンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれてリソソームへ運ばれ、ネクローシス及びアポトーシスを引き起こすことを、LDHアッセイ、MTTアッセイ、透過型電子顕微鏡観察、及び共焦点レーザー顕微鏡観察により確認した。引き続き、ネクローシス/アポトーシスの詳細な解析のため Annexin V/Propidium iodide(PI)の蛍光二重染色の準備を進めているところであったが、研究代表者が平成30年3月31日付で退職し、研究を中断することとなった。
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