2019 Fiscal Year Annual Research Report
A novel therapeutic method for multiple myeloma by comprehensive control of intracellular protein degradation mechanism
Project/Area Number |
17K08771
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
宮澤 啓介 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (50209897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平本 正樹 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70297828)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / オートファジー / 小胞体ストレス / プロテアソーム / アポトーシス / マクロライド系抗生剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はマクロライド系抗生剤であるクラリスロマイシン(CAM)やアジスロマイシン(AZM)にオートファジー阻害活性を有することを報告してきた。また、多発性骨髄腫(MM)細胞に対して、マクロライドとプロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブ(BZ)との併用により、オートファジー・リソソーム系とユビキチン・プロテアソーム系の細胞内二大タンパク質分解機構を同時に阻害することで小胞体(ER)ストレス負荷を介した強力な殺細胞効果が誘導されることも報告してきた。一方、両薬剤併用時には細胞質内にアグリソームが蓄積し、これがERストレス負荷の回避・軽減に寄与していることが明らかとなった。 そこで、ERストレスの定量的解析法を独自に確立し、二大タンパク質分解系阻害に加えて、アグリソーム形成を阻害するためにHDAC6阻害剤を同時添加すると、ERストレス負荷が一挙に増強し、さらに強力なアポトーシス誘導能を発揮することを明らかにした。また、不良タンパク質凝集体は微小管に沿って微小管形成中心(MTOC)に逆行輸送されアグリソームが形成される。そこで、微小管重合阻害剤ビノレルビンにより輸送の足場(scaffold)形成を抑制しアグリソーム形成を阻害することでも、BZ+CAMによるERストレス負荷はさらに増大し、強力なアポトーシスが誘導された。 これより、オートファジー・リソソーム系、ユビキチン・プロテアソーム系、アグリソームの三者間での細胞内ネットワークが存在し、これを計画的に遮断することで、ERストレス負荷を介した強力なアポトーシス誘導効果が得られること立証した。さらに、マクロライドのオートファジー阻害活性の分子基盤を明らかにするため、ハイスループット・アフィニテイー精製技術により、マクロライドのオートファジー阻害活に関わる標的タンパク質の同定にも成功した(投稿準備中)。
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Research Products
(15 results)