2019 Fiscal Year Annual Research Report
Dysfunction of STIM1 and Hypertesnion: evaluation using a novel genome-edited SHRSP
Project/Area Number |
17K08787
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大原 浩貴 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (10609225)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高血圧 / 脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP) / 交感神経 / ストレス / Stim1 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中易発症高血圧自然発症ラット(SHRSP)はストレス負荷に対して過剰な交感神経性の昇圧反応を示すことが知られ、本モデルの遺伝的な高血圧成因の一つと考えられている。我々はSHRSPのストレス性高血圧遺伝子の候補として、小胞体カルシウム貯蔵センサーとして働き、ストア作動性カルシウム流入(SCOE)の必須因子であるstromal interaction molecule 1(Stim1)を見いだした。SHRSPのStim1遺伝子配列にはprematureなナンセンス変異があり、これがSHRSPにおける変異型STIM1の発現とSOCE活性の減弱をもたらす。本研究では、CRISPR-Cas9を用いた遺伝子ノックインによりStim1の変異を修復した「Stim1ノックインSHRSP (KI SHRSP)」を作製し、SHRSPでSTIM1機能をレスキューすることでストレス性高血圧の改善が見られるかを検証した。KI SHRSPと親系統であるSHRSPとの間で、12・16・20週齢での血圧(テールカフ法)や冷温ストレス負荷条件での尿中ノルエピネフリン排泄量、冷温あるいは拘束ストレス負荷による昇圧(テレメトリー法)に有意差は見られなかった。一方、16・20週齢での心拍(テールカフ法)および拘束ストレス条件での心拍(テレメトリー法)はKI SHRSPが有意に低値を示した。本研究から、STIM1の機能回復はSHRSPのストレス性高血圧を明確には抑制しないが、ラットの動きを制限する「拘束」というストレス条件下における心拍数の軽減が見られたことから、そのストレス反応性を部分的に改善させる可能性が示された。
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Research Products
(1 results)