2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of promoting dementia caused by diabetes mellitus, focusing on the transport dynamics of glucose through the choroid plexus
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17K08788
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
上野 正樹 香川大学, 医学部, 教授 (30322267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 陽一 香川大学, 医学部, 講師 (30372113)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 糖輸送体 / 脈絡叢上皮細胞 / SGLT2 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖化により強い酸化ストレスを引き起こしうる果糖の輸送体であるglucose transporter (GLUT)-5とGLU8がグリア系細胞のみならず脈絡叢の上皮細胞と上衣細胞に存在することは既に報告していたが、今回、酸化ストレス傷害に密接に関係している鉄の脳内輸送に関係しているhepcidin, ferroportin, hephaestinもアストロサイトのみならず脈絡叢の上皮細胞と上衣細胞に存在していることを報告した(Neuropathology, 2020. 40, 75-83)。さらに、エネルギーとして最も重要なグルコースの輸送体に関して、その濃度勾配によってグルコースを輸送するGLUT1が脳内血管内皮細胞やアストロサイトのみならず脈絡叢上皮細胞の基底膜側に局在することは知られていたが、ナトリウムの濃度勾配とともにグルコースを輸送するsodium/glucose cotransporter 2 (SGLT2)が脈絡叢上皮細胞と脳室上衣細胞に局在することを新たに見出した(Neuropathology, 2020, in press)。このように、脳室周囲領域は血管内の様々な酸化ストレス物質にさらされており、それらの物質が過剰になれば脳室周囲白質傷害を引き起こしうる可能性が推測される。そして、そのSGLT2の阻害薬は糖尿病の治療薬として近年汎用されだしているので、このSGLT2が脈絡叢上皮細胞と脳室上衣細胞に局在することは極めて重要な知見である。SGLT2阻害により、その輸送体が存在する脳室周囲領域において糖化による神経細胞傷害を軽減できる可能性を示している一方、脳内グルコース濃度を低下させる可能性も考えられ、その阻害薬の脳内神経細胞に対する正確な作用の解明が急務である。
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Research Products
(5 results)