2021 Fiscal Year Research-status Report
ヘム型ペルオキシダーゼに着目したインフルエンザ重症肺炎の治療戦略
Project/Area Number |
17K08792
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
鈴木 章一 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40253695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅又 龍一 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (70595917)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MPO / メチマゾール / インフルエンザウイルス / ヒポチオシアン酸 / 重症肺炎 / LPO / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒポチオシアン酸(HOSCN)はラクトペルオキシダーゼやミエロペルオキシダーゼのようなヘム型ペルオキシダーゼによって産生されるオキシダントである。マウスにインフルエンザウイルスを感染させると肺に著しい好中球の集積が観察されることから、インフルエンザウイルス感染に対するHOSCNの作用を解析している。 昨年度まで、気道上皮細胞株を用いてウイルス感染におけるHOSCNの作用について解析し、 RNAウイルスの疑似RNAであるpoly I:Cで引き起こされる抗ウイルス応答(インターフェロンβの発現誘導やアポトーシス誘導)は、HOSCNによって抑制されること、さらに、この抑制はIRF3の活性化抑制を介して行われることを明らかにした。 昨年度から、サイトカインストームの産生に深く関与しているマクロファージにも着目し、マウス骨髄細胞由来のマクロファージを用いてインフルエンザウイルス感染におけるHOSCNの作用の解析を行っている。これまでにHOSCNで処理したマクロファージを用いた実験から、TLR3を介したシグナル伝達が増強されて、IL-6等の炎症性サイトカインの産生能が亢進する可能性を見いだしている。また同時に、M1/M2マクロファージへの分化にも影響することを示唆するデーターも得ており、HOSCNがインフルエンザウイルスによる肺炎の重症化に関与していることが強く示唆されている。今後も、HOSCNで刺激を処理したマクロファージとインフルエンザウイルス誘導重症肺炎との関連性を明らかにしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
in vitroの実験から興味深い結果が得られたため、当初予定していた計画よりも多くのin vitroの実験系を組み、ヒポチオシアン酸の作用解析を行っている。このた め、当初の研究計画である「インフルエンザウイルスによる肺炎マウスを用いたペルオキシダーゼ阻害剤の効果」について調べる実験(in vivo実験)を行うのが 遅くなってしまった。したがって、全体としてやや送れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
インフルエンザウイルス感染によるサイトカインストームの産生機構をHOSCN処理したマクロファージに着目しながら解析を進める。また、LPOやMPOといったヘム型ペルオキシダーゼがインフルエンザウイルス感染による重症化に深く関与していることを示すともに、ヘム型ペルオキシダーゼの阻害剤がインフルエンザウイルスによる重症肺炎の有効な治療薬になり得ることも示す。
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Causes of Carryover |
in vtroの実験で興味深い結果が得られたため、一部、in vivoの実験からin vitroの実験へ変更したために差額が生じた。今後は感染マウスを用いた実験にその分の費用を充てる予定である
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