2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of physiological function of fatty liver-specific protein
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17K08799
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松末 公彦 福岡大学, 薬学部, 准教授 (10389364)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / shRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、機能未知タンパクHPD1の機能解明である。この目的を達成するために、本年度は今後の研究で必須となるHPD1shRNAによるHPD1ノックダウンシステムの構築を試みた。 1. データベースを用いて、HPD1遺伝子配列からノックダウン効率の高い配列を選択した。HPD1発現ベクターを細胞内導入し、HPD1を一過性に強制発現させた細胞を用いて、この配列のノックダウン効率を確かめた。この結果、この配列からHPD1shRNAを発現するベクターの細胞内導入は、HPD1mRNAの発現を90%以上抑制した。 2. 外来DNAの導入が困難な細胞株3T3-L1成熟脂肪細胞(現在唯一のHPD1発現細胞株)にベクターを導入するため、HPD1shRNA発現レンチウイルスベクターを作製した。このレンチウイルスの感染時間、感染量の条件を詳細に検討した結果、HPD1shRNA発現レンチウイルス感染3T3-L1脂肪細胞におけるHPD1発現は、controlshRNAウイルス感染細胞に比べ、約90%以上の抑制が認められた。 3. 今後、脂肪肝に発現するHPD1のノックダウンも計画しているため、HPD1shRNA発現アデノウイルスベクターを作製した。現在、このアデノウイルスベクターによるHPD1発現の抑制効果を評価している。予備的検討の結果、細胞内に強制発現させたHPD1mRNAに対しては、90%以上の抑制が認められた。今後、このアデノウイルスベクターを脂肪肝発症モデルマウスに投与し、in vivoで内在性HPD1をノックダウンできるか検討すると共に、効率的なin vivoノックダウンの条件を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験上の大きなトラブルが無かったため。
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Strategy for Future Research Activity |
HPD1shRNA発現レンチウイルスベクターにより、3T3-L1 成熟脂肪細胞に発現しているHPD1をノックダウンする。そのノックダウン細胞を用いて以下の検討を行う予定である。 1. HPD1ノックダウン3T3-L1成熟脂肪細胞における表現型 ・ 発現解析 3T3-L1成熟脂肪細胞の脂肪滴の状態、各種酵素活性などをコントロール細胞と比較する。 2. HPD1ノックダウン3T3-L1前駆細胞の分化過程における表現型 ・ 発現解析 3T3-L1前期脂肪細胞の段階で、HPD1shRNA発現レンチウイルスベクターを感染し、HPD1がノックダウンされた状態で成熟脂肪細胞に分化させ、その分化の程度、関連遺伝子の発現変化をコントロール細胞と比較する。
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Causes of Carryover |
当初、設備備品としてPCRサーマルサイクラーの購入を計画していた。これについては、現存のサーマルサイクラーは古く、不調を起こすため。しかし、こちらの希望する条件を満たす機種が見つからなかったため購入しなかった。購入するか否かを含め再度検討したい。
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