2020 Fiscal Year Research-status Report
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17K08814
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Research Institution | Kobe Tokiwa University |
Principal Investigator |
鈴木 高史 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (70305530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 均 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (80363480)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナトリウムチャンネル / Aedes / Crispr/Cas9 / オートパッチクランプ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は疾病媒介蚊のピレスロイド殺虫剤の標的分子であるVoltage-Gated Sodium Channel分子の変異をフィールド調査により解析し、あわせて、当該変異によりどの程度殺虫剤耐性になるかを培養細胞レベルで解析を行うことを目的として進めている。 ネパールにおける疾病媒介蚊の昨年度までのフィールド解析研究は本年度論文に掲載された。引き続いてのフィールド解析はCOVID-19の蔓延による渡航制限により行うことができなかった。 培養細胞レベルの研究では、ネッタイシマカのVoltage-Gated Sodium Channel分子をHEK293細胞に組み込み、テトラサイクリンで本分子の発現誘導を行うシステムを構築した。オートパッチクランプ解析の結果、コントロール細胞に比べてネッタイシマカのVoltage-Gated Sodium Channel分子では最大で10倍程度の電流が計測されたが、阻害剤解析を行うためには十分ではなく、また細胞ごとに電流量が大きく異なっており、システムをさらに改善する必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度計画した培養細胞レベルの研究解析を進めたが、ネッタイシマカVoltage-Gated Sodium Channel分子導入細胞はクローニングしても細胞ごとに測定される電流値が大きく異なり、それ以上の解析が難しいことが明らかなったことと、COVID-19のためフィールド解析を行うことができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
より安定な発現が期待できるCHO-K1細胞に今回構築したテトラサイクリンで発現誘導が可能なシステムの移行を行い、阻害剤解析等を行いうるシステム構築を行う。
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Causes of Carryover |
構築したHEK293細胞を用いてのテトラサイクリン遺伝子発現誘導システムでは安定した電流の検出が難しいことが判明したため、当該システムを用いての解析をいったん中断し、CHO-K1細胞へのシステム移行・解析を計画した。実際の解析は次年度に行うこととしたため、そのための研究費(消耗品費用)が未使用となり、次年度使用額となった。また追加でのフィールド調査も検討したが、COVID-19の状況に鑑み実施しないこととした。従って、次年度繰越額はCHO-K1細胞へのシステム移行とその解析の実施に使用する。
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